囲み、声出し、早朝散歩…現場で飛び交う「野球業界用語」

[ 2018年1月10日 10:30 ]

 もういくつ寝ると…。年が明け、自主トレもスタートし、そうこうするうちに春季キャンプがやってくる。球春到来。となれば、担当記者は朝から晩まで選手、監督らを追いかけ回す。そんな現場で飛び交っている「野球業界用語」を、ほんの少しだけ紹介したい。

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 かこみ【囲み】記者が選手を取り囲んで取材する形。球団から時間、場所など設定されるケースが多い。位置取りに失敗すると選手の声が聞こえづらい。(反語)ぶら下がり。

 こえだし【声出し】(1)朝の散歩の際、選手がシーズンの目標などを叫ぶ。海へ向かって絶叫する姿が勇ましい(2)無理に笑いを取ろうとすると危険。

 さくごえ【柵越え】(1)フリー打撃などで球場のフェンスを越えた打球の数(2)記者がボーッとしていると数え間違えることも。

 ざつ【雑】雑感の略。メーン原稿に対して15行程度の短い原稿。懸命に取材しても、鬼のデスクから「雑で」と言われると泣ける。

 そうちょうさんぽ【早朝散歩】(1)朝食前の散歩(2)担当記者も付き合う。運動不足がバレバレになる。

 はやで【早出】自主的、もしくは強制的に通常メニューより早く練習を行うこと。(反語)居残り

 ぶらさがり【ぶら下がり】(1)移動中などに、記者が選手の横を一緒に歩きながら取材すること(2)西武のキャンプ地・南郷ではサブグラウンドから本球場まで階段が135段もあり、記者が息切れして質問できない時も。(動詞)―下がる。

 めしかい【飯会】記者と選手ら球団関係者との食事。(例)「きょう、○○と飯会なんで、もう仕事あがってもいいすか?」

 やかんれんしゅう【夜間練習】夕食後、室内などで行う練習。選手は、飲みに行った記者が取材に来ていないか、などをチェックしていたりする。(反語)アーリーワーク。

 「ぶら下がりでいい話を聞いたのに、デスクに雑って言われて…。今日は飯会があるから、夜間練習は行かないんで。あんまり飲み過ぎると、明日の早朝散歩がなあ」。そんな会話を日々しながら、記者は面白い記事を書こうと奮闘しております。(鈴木 勝巳)

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