入寮の清宮 大谷と隣部屋に 渡米まで「いろいろ聞ければ」

[ 2018年1月9日 05:30 ]

入寮した清宮は勇翔寮のプレートの前で笑顔を見せる
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 日本ハムのドラフト1位・清宮幸太郎内野手(18=早実)が8日、千葉・鎌ケ谷にある「勇翔寮」に入寮し、膵臓(すいぞう)がんのため4日に死去した楽天・星野仙一球団副会長(享年70)や年末年始に亡くなった祖父母への恩返しの活躍を誓った。寮ではエンゼルスに移籍した大谷と隣部屋になり、9日から新人合同自主トレをスタートさせる。

 星野氏がプロでの活躍を楽しみにしていたことは分かっている。入寮した清宮は「ドラフトでも自分のことを指名していただいた恩がある。恐縮ですけど、天国で自分の活躍を見守っていてほしい」と恩返しを誓った。

 ラグビー好きの星野氏と父・克幸氏(ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機監督)は親交が深く、星野氏は「ガキのころから知っている」と話していた。小6だった11年に父とともに楽天の倉敷秋季キャンプを訪問。中1だった12年6月27日の楽天―日本ハム戦(東京ドーム)ではリトル世界一になって始球式を務め「幸せな男だな」と声を掛けられた。

 星野氏が「何十年に一人の逸材」とほれ込み、楽天は昨秋ドラフトで高校通算最多の111本塁打を放ったスラッガーを1位指名。7球団競合の末に日本ハムが獲得したが、克幸氏は指名されたお礼の電話を入れ、清宮は「父親も物凄く尊敬していた」と明かした。

 その克幸氏とは前日に自宅の地下室で「打撃納め」を行った。父が投げるボールを打ち返す練習は小3で野球を始めた頃から続けてきた儀式だ。高校時代も時間が合えば、試合前に打撃練習に付き合ってくれた。旅立ちを前に、父の期待も胸に刻んだ18歳は「いろんな方に支えられて今がある」と感謝した。

 初めて親元を離れ、寮暮らしを始める。しかも、エンゼルスへの移籍が決まった大谷がいる404号室の隣の403号室となった。将来的なメジャー挑戦を目指す清宮にとって二刀流は「道しるべ」という目標の存在だ。渡米するまでは寮にいるため、球団関係者は「少しでも接点があればという配慮」と説明。憧れの選手と一緒に過ごせる時間ができたことに清宮も「野球のこと、プライベートのことをいろいろ聞ければ」と目を輝かせた。

 この日の入寮では、テレビカメラ12台を含む約100人の報道陣が集まり、約200人のファンが駆け付けた。9日から始まる新人合同自主トレではさらに注目を集めることになる。「自分はホームランが持ち味。その辺を見せられたら」。18歳のスラッガーはさまざまな期待を背負ってプロ生活をスタートさせた。 (東尾 洋樹)

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