「何をやっとんじゃ!」栗山監督 星野氏に低迷叱られ…「凄くうれしかった」

[ 2018年1月8日 07:45 ]

子供たちと触れ合う栗山監督
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 もう怒ってもらえないのかと思うと、寂しさが募る。ショックは消えない。でも、思いは受け継いでいく。日本ハム・栗山監督は静かに「闘将魂」の継承を心に誓った。

 「99%、星野仙一さんみたいな監督になりたいと思ってやってきた。いろんなことを教わり、怒られた。今は足元にも及ばないけど、自分らしさをつくらないといけない」

 昨年10月26日のドラフト会議のとき。楽天球団副会長として来場した星野氏から「何をやっとんじゃ!」と怒られた。一昨年の日本一から一転、リーグ5位に低迷。ふがいない成績を真剣に叱ってくれた。

 「久しぶりに怒られて、凄くうれしかった」。闘将の怒声。その裏には愛情がたっぷりあることを、栗山監督は知っている。「本当の優しさって何か。愛情がなければ叱れない。あれだけ優しかったから、あれだけ叱れた」。星野氏の教えを忘れず、今季は“鬼”になる覚悟を決めている。

 12年に監督就任。星野氏は楽天の監督だった。14年までの3年間、パ・リーグの覇権を争い、12年は日本ハム、13年は楽天が優勝。「その時だけは怒られることなく、監督として扱ってくれた」と思い出す。常に球界全体に広い視野を向けていた星野氏。自身も「球界のために、どういう選手をつくらなければいけないかということを心に秘めてやってきた」といい、二刀流・大谷は闘将の教えが大きく影響してもいた。

 この日は北海道岩見沢市にある社会福祉施設「光が丘学園」を訪問。約1時間半、絵本の読み聞かせやキャッチボールで子供たちと触れ合った。「少しでも喜んでもらえたらうれしい」。施設訪問などは星野氏も大切にしていた活動だ。グラウンド外でも感謝の気持ちは忘れない。

 「本当にへこんでいる。もう怒ってもらえない」。寂しそうに語る栗山監督に、強い決意もにじんでいた。 (秋村 誠人)

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