パナソニックのドラフト候補吉川&法兼、「全力」で「勝」つ

[ 2018年1月6日 09:42 ]

 創業100周年の節目に「全力」で「勝」つ! 社会人野球のパナソニックが5日、枚方市のパナソニックベースボールスタジアムで始動。今秋ドラフト候補の148キロ右腕・吉川峻平投手(22)は新年の誓いを「勝」の文字に込め「相手に勝つのはもちろん、自分に満足しておごることのないように」と話した。法兼駿内野手(23)は「全力」と記入。「大学時代から心がけている全力プレーで、この1年間を駆け抜けたい」と意気込んだ。

 関大出身の吉川は年始を東京で過ごし、元日にはスポーツ振興の神様として知られる亀戸の香取神社へ初詣。「小吉」のおみくじには“体調不良は思わぬところに原因がある”という内容があり、大きな故障なく投げられた1年目の再現を誓った。昨年は3月の東京スポニチ大会・JR西日本戦で最速を148キロに更新し、2安打完封の衝撃デビュー。都市対抗、日本選手権の2大大会にも登板すると、11月下旬から社会人選抜として台湾ウインターリーグに参加した。すべて中1日で先発と救援に2試合ずつ登板。2勝1敗、防御率2・03という成績以上に収穫だったのが、同期からのアドバイスだった。大学時代をともに関西地区でプレーして面識のあったイースタン選抜の菅原(楽天)から「“投手が調子の良い時は抑えて当然。プロは調子が悪い時にどうするかが大事だ”と言われました」。オフシーズンゆえ、打撃で試行錯誤する選手もいる。必ずしも勝敗にこだわらない試合の中で、結果に満足せずレベルアップすることを教わった。

 法兼は「結果に左右されたくないから」と、初詣のおみくじを引かなかった。社会人1年目の昨年を「調子の波が大きかった」と反省する。打撃フォームが固まらないまま臨んだ都市対抗で無安打に終わると、すぐさま改造に着手。バットを振り下ろす形から、ボールに対して平行にぶつけるレベルスイングに取り組み、秋の日本選手権では全3試合で安打。二塁手として社会人ベストナインも受賞した。大学時代は故障に苦しんだことから、体のケアにも余念がない。年末からはコーチの勧めでヨガを取り入れ、股関節や骨盤の柔軟性アップに励む。

 2人に共通するのが「プロの世界で活躍する仲間に追いつきたい」という思いだ。吉川は侍ジャパン大学代表で一緒にプレーした選手の高い意識に「レベルが違いすぎて、当時は逆に刺激にもならなかった」。法兼は亜大3年秋に首位打者を獲得。昨年は同じ東都リーグで争っていた中日・京田が149安打を放ち「守備はうまかったが、ここまで打つとは思わなかった」と驚きを隠さない。夢を叶えるための勝負の年に結果で応えたい。

 パナソニックは今年3月に創業100周年という大きな節目を迎える。就任3年目を迎える梶原康司監督は「プレーする以上、プレッシャーは常にある。その中で結果を出すことが大事」と気負うことなく受け止める。投打のドラフト候補が活躍すれば、悲願の都市対抗優勝はグッと近づく。

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