広島・赤松 カムバック賞狙う 胃がんからの復活が「恩返し」

[ 2018年1月5日 05:30 ]

雪化粧した木々を背にランニングする赤松
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 広島・赤松真人外野手(35)が4日、京都市内の立命大柊野グラウンドで自主トレし、胃がんからの復活を目指す今季の目標を「カムバック賞」に定めた。手術から1年。ともに闘ってくれた家族、温かい声を送ってくれたファン、そして必要としてくれた球団への恩返しを改めて期した。

 外は粉雪舞う底冷えの室内練習場。赤松は入念なウオーミングアップを済ませた後、キャッチボール、ノック、マシン相手の打撃練習を次々と軽快な動きでこなしていった。

 「順調と言えば順調ですよ。目標はカムバック賞。今年に限ったことではなく、いつかは取りたいな」

 昨年1月5日の胃がん手術から、ちょうど1年。ぼやけていた視線の先が今は明確に輪郭を帯びてきた。

 チームの勝利を最優先する男が個人的な賞を目標としたことには理由がある。

 「ファンの方に、たくさんの励ましの手紙や声をもらって、それを力にすることができた。球団も、何もしていない僕を戦力としてカウントしてくれた」

 ともに病魔と闘ってくれた夫人と2人の愛息をはじめ周囲の人々への感謝は尽きない。「もう僕の野球人生には恩返ししかない。もう一度、1軍で元気な姿を見せたい。盗塁をしたい」。強固な意思を胸に自慢の快足でダイヤモンドを駆け回る日を思い描いた。

 いまも1カ月に一度の血液検査、3カ月に一度のCT検査は欠かせない。抗がん剤投与の影響で足にはまだ若干のしびれが残り、食欲減退により体重も例年オフの75キロには4キロ程度届かない。「逆に体が軽くなって、いい感じなんじゃないかと思う」と明るく振る舞い、年末年始も故郷・京都で休まず練習を続けてきた。

 「練習は一通りできるけど、チームと一緒の練習をやってみてどうか。どれくらいできるか、早く試したい」

 フルメニューをこなせる状態で春季キャンプを迎えることが現状での目標。今月中旬からは選手会の合同自主トレにも参加する予定で「焦ってはいないです」と言い切った。

 「まずは今、野球ができていることに感謝したい。もちろん復帰が目標だけど、結果を考えずに全力でやれるだけやりたい」。現実と向き合い、一歩ずつ着実に復活への道を歩んでいた。(桜井 克也)

 ◆カムバック賞 1974年に制定された連盟特別表彰で、長期離脱や成績不振から復帰した選手が対象。選手生命に関わる負傷から復活した選手が多いが、01年受賞の盛田幸妃(近鉄)は98年に脳腫瘍摘出手術を受け、3シーズンぶりに勝利を挙げたことが評価された。

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