落合氏 金本監督に助言 選手をどやしあげるのは「年に3回」

[ 2018年1月3日 09:30 ]

阪神・金本監督 落合博満氏と新春対談1

笑顔で初対談した落合氏(左)と金本監督
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 オレ流アドバイスは…辞めんなよ!?阪神・金本知憲監督(49)と元中日監督の落合博満氏(64)が、スポニチ紙上で新春対談に花を咲かせた。監督論、チーム強化策、投手の起用法、藤浪の再生法、生え抜き4番打者の育成…。多岐にわたった話題について、虎将と日本一1度、リーグ優勝4度を誇る名将が、忌憚(きたん)のない意見をぶつけ合った。(取材・構成=山添晴治、惟任貴信、山本浩之)

 ――明けまして、おめでとうございます。2人が話をするのは?

 金本&落合 いつ以来だろう。

 ――中日落合監督と、選手金本がグラウンドでよく話していた印象が

 落合 話していないです。相手の4番打者とどうやって話するの?野球界の先輩としてのあいさつ。それだけ。そうだよな?

 金本 はい、おっしゃる通りです(笑)。

 落合 今の世の中、何でもかんでも、表に出さないといけないわけじゃない。出しちゃあ、いけないこともあるんだよ(笑)。

 ――金本監督は就任会見で理想像の一人に落合監督を挙げていた

 金本 その時にセ・リーグで一番、勝っていた監督なので。原監督、落合監督の時に、僕はタイガースで育った。勝たせる監督がいい監督で“僕の目標です”ということは言いましたね。

 ――金本監督は選手時代、中日・落合監督をどう思っていた?

 金本 不気味でしたねえ。何を考えているのか分からないので。

 ――阪神はナゴヤドームでなかなか勝てなかった(※1)

 金本 勝ち越した時だけ優勝しているのかな。05年。ナゴヤドームの雰囲気もありましたし、やっぱり選手はね…。ところで落合さんは、あまり怒られる方ではないと思うんですけど?

 落合 うーん、年に3回かな。全員集めてどやしあげるのは。

 金本 どやしあげていたんですね。

 落合 だいたい時期的に何月というのはあるんだ。それが5月の半ば。必ず中だるみしてくる。

 金本 そうですね、ありますね。

 落合 一切、ミーティングはやらないからね、オレは。嫌いだから。毎日、同じ話を聞かされたって選手は誰も聞いてないもん。“今日も1日頑張りましょう!”と毎日聞かされてごらんよ。さあこれからって時に腰砕けするような。“言われなくても分かってる”って。でも言わないといけないのが首脳陣でもあるんだけど。そのもどかしさは経験していないと分からない。

 金本 143試合、ついつい気が抜けたり、しんどいなあ…とか。選手ってそうなるんですよ。そこを締めないといけないし、締めっぱなしじゃあ選手も疲れてくるし。勝負どころとか、たるみどころというのはあると思うんです。そこで、いかにハッパをかけたり、モチベーションを上げたり、締めたり。1年目はやってましたね。タイガースは覇気がない、淡々とやるのが伝統的にあるんで、月に1回はガーッとどやしていました。体質改善という意味で。だから2年目は選手は“金本監督、おとなしいな”という雰囲気はすごく感じていたんじゃないですか。

 ――落合氏から金本監督にアドバイスを送るとしたら

 落合 もう、優勝しか狙ってないんでしょう? そこ一本でしょう?

 金本 もちろんです。

 落合 アドバイスをするなら、最終的な結果はどうであれ、辞めんなよ!短気は起こすなよ、と。

 金本 それはないですね(笑)。

 落合 今の阪神は完成されたチームじゃないんで、最低5年は地道にやってみな。変われるはず。3年じゃ変わらないよ。でもお前が辞めたら、また元に戻ると思うけどね。監督次第なんだ、チームというのは。

 金本 5年ぐらいはかかるかなと。練習して、つくっていって、雰囲気を変えて、気持ちも変えて…と、いうのは早くて5年ぐらいだとは、僕は思っていますね。

 (※1)開場した97年から8年連続で年間負け越し。05年に6勝5敗で初めて勝ち越したが、翌06年は1勝10敗に終わった。金本監督の16年は5勝8敗、17年は6勝5敗。

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