阪神 坂井オーナー語る「評価できる2位」「来季優勝しても不思議ない」

[ 2017年12月30日 11:30 ]

阪神 坂井オーナーインタビュー(上)

インタビューに答える阪神・坂井オーナー
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 阪神・坂井信也オーナー(69)がスポニチのインタビューに応じた。64勝76敗3分けだった昨季の4位から78勝61敗4分けで2位に躍進した就任2年目の金本阪神の戦いを「評価できる2位」と称え、13年ぶりのリーグ制覇を狙う来季に期待を寄せた。また、導入が検討されるDH制やドラフトについて持論も展開した。

 ――金本阪神2年目は1年目の4位から2位に躍進。就任2年間をどう見ているか。

 「2年目は非常によくやってくれたと思います。1年目は若干の齟齬(そご)があったり、慣れていない部分があったと思いますが、2年目はその辺も十分に克服していたと思います。戦い方も非常に落ち着いた、いい采配だったのではないでしょうか。期待した選手が本領を発揮できなかった部分もありましたが、全体的に見れば(主力の)ケガや不振があった中、チームとしては、よく戦ってくれたと思います。4位から2位という一つの階段を上がってくれました。特に首脳陣の方に、そういうもの(成長点)があったと思います」

 ――金本監督就任後2年間の成果とは。

 「1年目は若手が出てきて、2年目はどちらかと言うと、中堅選手や前年に控えに回っていた選手が頑張った。FA(で補強した)選手も頑張ってくれた。今は、いろんなことが出てきている局面だと思います。首脳陣がそれをうまくまとめて、やってくれている。3年目は新しい金本世代の藤浪君とか高山君、北條君たちが力を付けて、中堅選手は中堅選手の働きどころを見つけて、そこに外国人選手とかFA選手の力を借りて、それが一体となれば、優勝も狙えるんじゃないかと思います」

 ――就任3年目に期待するのは優勝か、それとも若手育成に重点を置いてほしいか。

 「なかなか分けて考えにくいし、言いにくいですが、優勝しても不思議ではない戦力にはなっていると思います。勢いと今の戦力にプラスアルファが加われば、当然、優勝できると思っています。今季も首位と10ゲーム離れていますけど、何かの勢いで5つくらい勝ち負けがひっくり返ったら優勝していたということでもあります。あくまでも優勝を狙うことを目標としながら、その中で若い選手に力を付けてほしい。一からの…という意味の育成はもうないと思います。そういう意味では育成というより、力を十分に発揮してほしいという段階に来ています。今までの育成とは、意味合いが違ってきていると思います」

 ――金本監督とは改めて複数年契約を結んだ。

 「年数は監督本人が言っていないので、我々が言うことではないと思います。少し長い目で考えています。来季から優勝を狙いますけれども、取り組んできた改革は、まだ道半ばであることは確かです。本人も試行錯誤でやっているとは思いますので、3年より4年、4年より5年という時間がいるでしょう。根本的、徹底的に変えてもらうために80周年を節目に改革を施行し、それを金本監督にお任せしています。実感として改革できたというところまでは、やっていただきたい。練習のやり方から心構えから、すべて変えていくということです」

 ――今年で05年のリーグ優勝から干支が一回り。その間、2位が6度。これまでの2位と去年の2位に、違いを感じる部分は。

 「2位のなり方もいろいろありますが、比較的よくやったと思うということは、2位が現在の実力通りの順位だったと思います。今までの2位なら、少しフロック(まぐれ)だなとか、もう少し行かないといけないのにダメだったとか、何か思ったのですが。満足しているわけではないですけど、評価できる2位だったと思います。巨人もそうでしょうが、阪神も上位でないといけないと思うからチームを適当に戦える力に作ろうという、そういうのがある。一切合切、壊して、新たに作れば…とも思うけれども、リスクがあるので何となくヘッジ(損失に備えた先物売買)をかけるみたいところが2位になったり、3位になったりするところかもしれません。ただ昔のトラウマもあるので、なかなか思い切れない。そういう取り繕いを知らず知らずにしていましたが、それでは優勝できないと思い直しています。大いに反省しています」

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