侍・稲葉監督、五輪へ異例の“武者修行” U―23W杯inニカラグア指揮浮上

[ 2017年12月30日 08:30 ]

来秋に中米ニカラグアで行われるU―23W杯で指揮を執る構想が浮上した侍ジャパンの稲葉監督
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 日本の裏側で五輪予行!侍ジャパンの稲葉篤紀監督(45)が、来秋に中米ニカラグアで開催予定のU―23(23歳以下)ワールドカップ(W杯)で指揮を執る構想があることが29日、分かった。2020年東京五輪を見据えその予行演習を行うのが狙い。トップチームの指揮官が中米まで足を運ぶのは異例で、実現すれば金メダル獲得に向けた「武者修行」となる。

 悲願の金メダルのためなら、世界中のどこへでも行く。20年東京五輪まで3年を切り、今後について稲葉監督は「(代表チームが)集まれる回数も決まっているし、少ない。私自身も監督の勉強をたくさんしていかないといけない」と話していた。そこで浮上した構想が、遠く中米ニカラグアで指揮を執る異例の「武者修行」だ。

 来年3月3、4日にオーストラリアと行う強化試合や来秋に予定されている日米野球など、今後も定期的に実戦の機会は用意されている。しかし、少しでも五輪本番に近いシチュエーションを経験することに意味がある。U―23ながら、ワールドカップという真剣勝負。さらに五輪と同じ「コーチ3人制」で臨むことで、予行演習の場にできるよう稲葉監督も意向を持っているという。

 登録枠の関係で、五輪はベンチ入りするコーチの数が大きく制限される。稲葉監督は初陣だった11月のアジアプロ野球チャンピオンシップ(東京ドーム)では、金子ヘッド兼打撃コーチら、5人のコーチとともに戦った。これが本番で3人に減れば、選手との意思疎通やサイン伝達の方法、相手の分析…などさまざまな面で大きな違いが出てくる。ぶっつけで東京五輪を迎えることがないよう、少しでも早い段階で「五輪モード」のコーチ3人制を実戦で試したい。そのリハーサルの舞台がニカラグアとなる。

 16年10〜11月にメキシコで開催された第1回U―23W杯で侍ジャパンはプロ・アマ混成で出場し初代王者に輝いた。来年の大会は連覇が懸かる。その指揮をトップチームの稲葉監督が執り、コーチ3人制で真剣勝負の場を戦い抜く――。悲願の金メダル獲得へ「一日も無駄にしたくない」と話していた45歳の若き指揮官にとって、地球の裏側で過ごす時間はこれ以上ない貴重なものとなるはずだ。

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2017年12月30日のニュース