ソフトB武田 背番18の自覚、200イニングへ2桁完投目標

[ 2017年12月29日 05:30 ]

子供たちとハイタッチする青木(左から2人目)、武田(左から3人目)
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 背番号「18」に課せられるエースの責任を全うする。ソフトバンク・武田翔太投手(24)が28日、宮崎県日向市で「プロ野球宮崎県人会」の野球教室に参加した。背番号は今季までの「30」から、来季は「18」に変わる。気持ちを新たに200イニング登板、さらに近年では至難の業と思われる2桁10完投を目標に掲げた。

 何か、一つのきっかけで悪い流れを断ち切れることがある。武田は柔和な顔つきで、その背に負う“新相棒”の真相を語った。

 「今年は流れが良くなかったので、変えてみようかなと。新しい気分、新鮮な気分になった」

 今季は6勝(4敗)どまり、2桁勝利は2年連続でストップ。防御率3・68はプロ6年目で最悪の数字だ。今春WBCに追加招集され、その期間中に右肩に違和感を覚え、シーズン序盤は戦線離脱も経験した。その悪い流れを断ち、気持ちは来季へ向かっている。

 背番号「18」は球界でエースナンバーとされ、ヤンキースの田中が楽天時代の07〜13年に、ドジャースの前田も広島時代の08年から付けた。ソフトバンクでは今季まで松坂だった。この日サインを求められた際に「(最初は)3と書いて、8にごまかした」。まだ慣れない初々しさがあるものの「番号が減れば減るほど、重くなる」その重みを十分に感じている。

 思わぬところから“ブーイング”を浴びていた。変更発表直後に守護神サファテから「背番号18が本当に欲しかった」とツイート。伝え聞いた武田は、背番号を譲る代わりに力投で守護神に「休養日」を提供する構えだ。

 来季目標は16年の183投球回を超える200回。目標達成の道筋として「完投を増やさないと。200イニングいくには(完投が)10ぐらいは必要」と意気込む。今季は9月6日のオリックス戦で今季初完投初完封したのが唯一だった。投手の分業化が定着し、投球数への配慮も進んだ近年、2桁完投は至難の業だ。球団では94年吉田豊彦の11完投、12球団でも13年オリックス・金子の10完投を最後に出ていない。

 今季は、プロ野球記録のシーズン54セーブを挙げたサファテが66試合、最優秀中継ぎ投手に輝いた岩崎が球団新の72試合に登板するなど、ブルペン陣はフル回転。一方でチームの4完投はリーグワーストだった。「2桁完投」を口にするのは、感謝の気持ちをマウンドで示す心意気だ。

 来年1月5日から地元宮崎で自主トレを開始。体全体を使いこなせるように体幹トレーニングなど地道に取り組む。「来年は14勝くらいかな、いや18勝で」。背番号にふさわしい結果を求めていく。(後藤 実穂)

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