イチロー、思いは“メジャー一本” 「可能性」に込められた古巣への気遣い

[ 2017年12月26日 10:30 ]

子供から日本球界への復帰の可能性を質問され、困惑した表情を浮かべるイチロー
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 今月23日に行われたイチロー杯の閉会式。マーリンズからFAとなった日米通算4358安打の「生ける伝説」は、子どもから「日本球界復帰の可能性はありますか?」とド直球の質問を受けた。そこでの回答を再現する。

 「“可能性”という言葉を使うなら…これは僕の逃げの言葉です。“可能性”っていろんなことに使えるから。ゼロじゃない限りは可能性はあるけど…ややこしいなあ」

 最初は、所属先が決まらない現状への複雑な心境が思わず出たのかと思った。しかし、悲壮感の一切ない笑顔で話す姿を映像で見ると、決してそれだけではない気がした。

 イチローが、現状でメジャー一本での現役続行を目指す思いは変わらないと考える。一方で、「可能性」という言葉の中には、毎年「日本球界復帰の際には待っている」とラブコールを送り続けている古巣オリックスへの気遣いもあったのではないか。もちろん、勝手な想像である。

 元巨人、ヤンキースの松井秀喜氏は現役最終年の12年、レイズとのマイナー契約に合意したのが4月末。先月中旬にニューヨークで行われた野球教室で、オファーを待つ心境を問われ「待つしかないですよね。その時のために備えるという。僕はそうでしたけど。しょうがないです。そればっかりは。待つ身ですので」と表現した。

 当時、集中できる場所を求めて転々とする松井氏の自主トレ先を追いかけ回し、交渉の進ちょくを聞いた。こちらも心苦しさはあったが、松井氏も時折、複雑な心境やいら立ちの感情を懸命に抑えるように話していた姿が印象に残っている。

 今オフはイチロー以外にも上原(カブスからFA)、青木(メッツからFA)らメジャーで実績を重ねた選手たちが、所属先未定のまま年を越しそうだ。エンゼルス入りした大谷の二刀流だけでなく、ベテランたちのそれぞれの生きざまも、目に焼き付けたいと思う。(記者コラム・大林 幹雄)

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