西武・炭谷「雄星泣かせた」転機は昨季、頑固者を変えた

[ 2017年12月15日 05:30 ]

「2017プロ野球最優秀バッテリー賞」表彰式 ( 2017年12月14日 )

最優秀バッテリー賞を受賞し、副賞で贈られた記念の帽子とカーバッテリーを手にポーズを取る(左から)小林、菅野、炭谷
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 縁の下の力持ちは、謙虚な言葉で喜びを口にした。西武・炭谷は09年涌井と獲得以来2度目の受賞。「本当にうれしく思う。(菊池)雄星が入団した時からずっと受けてきたけど、今年覚醒した。雄星が頑張って獲れた賞」とエースを称えた。

 本気でぶつかりあったから真の信頼関係が築けた。「雄星は頑固者で言うことを聞かない時期もあった」。転機は昨季の春先。菊池が1カ月以上勝てない時期が続き、試合後に毎回2人で行うミーティングは2時間を超えた。「(菊池を)泣かせたこともあった。結構涙もろいんです。考え方を変えてくれました」。菊池の大ブレークは炭谷の支えがあったからこそだった。

 今年8月に「バッテリー賞を獲ろう」と2人の目標にした。有言実行で捕手が脚光を浴びる賞を獲得。「僕は目立たなくていい」と笑うが、「試合をつくれるし自分のサイン一つで野球が動く。そういう部分が面白い」と捕手の魅力を熱弁した。

 京都市立下鴨中で生徒会長、平安でも主将を務めた人格者。今オフは9代目プロ野球選手会会長の打診を一度は断ったが、「野球界のために少しでも何かできるかなと」と就任を決断した。大きな重責を担うが、本業で来季は10年ぶりのリーグ優勝を目指す。

 「(菊池が入団以来12連敗中の)対ソフトバンクでしょうね。ヤフオクで雄星が投げる際はそっとしておいてください。来年も雄星とここ(表彰式)に呼ばれるよう頑張ります」。最後までエースを気遣う心優しき女房役は力強く誓った。 (平尾 類)

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