球児 リーグVが集大成「達成できればいつでもユニホーム脱げる」

[ 2017年12月13日 05:35 ]

契約更改後の会見で報道陣の質問に答える藤川
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 阪神・藤川球児投手(37)が12日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の来季年俸1億5000万円(金額は推定)でサインした。16年からの2年契約を終え、新たに単年契約を結んだベテランは、リーグ優勝を阪神での集大成とした。来季は春先を意識した早めの仕上げで、今季フル回転した中継ぎ陣のバックアップに回る決意を口にした。

 慣れ親しんだタテジマで成し遂げる…いや、成し遂げなければいけない目標を、藤川ははっきりと口にした。

 「(リーグ優勝への思いは)もちろんあるし、それしかない。それが達成できれば、いつでも満足してユニホーム脱げるので。こんな良い環境で、たくさんのファンの前でプレーできている。その恩返し、達成感を一番にもたらせてあげたい。一番にそこが(目指すべき)中心になるのは、間違いない」

 自らの“引き際”まで口にするほど、優勝へのだわりは強い。守護神として一時代を築き、象徴的存在となった右腕にとって、05年から遠ざかるリーグ優勝が猛虎での集大成となることを強調した。

 ならば、頂点を目指すために何ができるか。チームの勝利に最大限貢献するために描くプランは明確だった。

 「今年、60試合以上投げてる選手もいますから、少し早めに準備して。チームが6月ぐらいまでに安定してくれば良いと思いますが、そこまでは安定しないと思ってる。どんな役割が来るかは分からないですが、そこのバックアップとして」

 リーグ2位の原動力となったリリーフ陣が、2年続けて同様の安定感を維持できるとは限らない。チームの状態が安定していない可能性のある4月〜5月にあえてピークを持って行き、難所に立ち向かっていくつもり。プロ16年の経験を生かした“危機管理”だ。

 腹は据わった。16年から結んだ2年契約を終え、新たに単年契約を結んだ。阪神復帰からの2年間を「迷惑をかけたな」と振りかっえっても、悲壮感はない。今季は52試合に登板し、防御率2・22。シーズン終盤は、輝きを取り戻すような安定感が際立った。

 「シーズンの後半が満足のいくパフォーマンスで、根拠のある抑え方をつかんだ。メディアの方には、なかなか言わなかったけど、それをつかんでる状態なので、そんなに不安がないのは実情」

 確かな自信、周囲への感謝を胸に秘めて腕を振る。悲願のVへ、屋台骨を支えるのは、藤川しかいない。 (遠藤 礼)

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2017年12月13日のニュース