オリ山崎福 背番17→0変更に複雑な思いも…「リセット」再出発の誓い

[ 2017年12月6日 13:20 ]

1日、契約更改を終えて笑顔で会見を行うオリックス・山崎福
Photo By スポニチ

 オリックスの山崎福也投手は0(ゼロ)からのスタートを切る。FA交渉で獲得した守護神候補の増井に、入団から3年間背負った「17」を譲り来季の背番号は「0」に変更された。12月1日の契約交渉で「珍しい番号なので(空き番の中から)あえて選びました。球史に名を刻みます!」と務めて明るく振る舞ったが、胸中には福雑な思いがあった。

 「落ち込んでいるようには見られたくなかった。背番号の変更って良いイメージないですから」

 球団で「0」を背負うのは15年の鉄平以来で、投手では91年の川畑泰博以来27年ぶりとなる。長村裕之球団本部長は「“0から、やりなおせ”ということ。もう一度スタートを切ってほしい」。厳しい言葉は、先発左腕を固定できないチーム事情がある中で、山崎福の台頭を願う期待の裏返し。山崎福も「17番を背負った3年間は悪い部分の方が多かったというのもあったので、リセットできる。1年目の気持ちでやっていきます」と前を向いた。

 日大三から明大を経て14年ドラフト1位で入団。140キロ前後の直球ながら、持ち味のスローカーブを織り交ぜて緩急を操る投球スタイル。通算176勝を挙げた星野伸之を彷彿させる未完の大器。今季、山崎福自身も先発ローテーション入りを目指したが、巡ってきた好機を何度も逃した。

 15試合に登板し2勝5敗、防御率4・40。5月26日ロッテ戦では3回途中4失点KOされ試合途中に千葉から強制帰阪を命じられ悔し涙をこぼした。屈辱をバネに再昇格後の7月10日の日本ハム戦ではプロ初完封勝利をマーク。福良監督も「先発枠にサチ(山崎)が加わるのは大きい」と期待を膨らませたが、以降は結果が出ず。札幌で行われた9月18日の日本ハム戦で1/3回4失点と打ち込まれ、またも強制送還させられ首脳陣の信頼を失った。

 「本当に悔しかった…。何が原因で好不調の波が起きるのかを考えて、来季に向けてしっかり準備したい」。野球に対するアプローチを熟考する一方で、秋季練習から球速アップを狙って新たなトレーニングも導入した。「火の玉ストレート養成ギプス」。投球時に軸足の左膝が折れる悪癖解消のため同部を医療用器具で固定するもので、酒井育成コーチにすすめられた。04年に阪神・藤川が、山口高志2軍投手コーチ(当時)から同じ指導を受け150キロ超の浮き上がる軌道の直球を手に入れた経緯がある。来季は社会人No・1左腕の呼び声高いドラフト1位・田嶋(JR東日本)が加わるだけに、飛躍のきっかけをつかむべく模索を続ける。

 「先発をやりたい思いはある。背番号0の横に1が付くくらい(10)勝ちたい」と山崎福。再出発を誓い、オフに牙を研ぐ。(湯澤 涼)

続きを表示

2017年12月6日のニュース