“桐生に勝った男”虎ドラ4島田 速戦力や!オフなのに…30メートル走3秒台

[ 2017年12月4日 06:44 ]

体力測定の30メートル走で3秒99をマークした島田
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 今秋ドラフト会議で阪神から指名された7選手が3日、甲子園球場などを訪れて施設見学と体力測定に臨んだ。ドラフト4位の島田海吏外野手(21=上武大)は30メートル走で最速の3秒99を記録。オフの調整段階にもかかわらず、チームトップクラスの走力を披露した。陸上100メートルの日本記録保持者の桐生祥秀に勝った男はうわさに違わず、やはり速かった。

 やっぱり速かった。本当に速かった。

 7選手が臨んだ体力測定。それぞれ2本ずつを計測した30メートル走の2本目で島田が一人だけ“4秒の壁”を破り、「3秒99」の数字をたたき出した。ちなみに今秋キャンプでは植田が参加選手で最速の3秒94を計測。阪神現役選手で4秒未満は江越を含む2人だけで、“猛虎記録”は植田の3秒90だという。

 今回の測定は甲子園球場の室内練習場。足場が人工芝上だったことを考慮してスパイクではなく、加速しにくいトレーニングシューズ着用で走った。服装はユニホームではなく軽量な短パン。プラスマイナス双方の要素が加わって単純比較はできなくても、猛虎最速に肉薄した事実は揺るぎない。

 島田にすれば名刺代わりでしかなかった。10月中旬に公式戦を終えた後はオフに突入。いまは全開にほど遠い自主トレ期間に過ぎない。「まだまだ体が動いていないので、オフシーズン中で3秒台が出たのはよかった。まだまだ出ると思います」。不敵な笑みも頼もしい。しかも、走る前には球団トレーナーから「ケガをしない程度の力で」と忠告され、100%ではなかった。

 見守った権田トレーナーは「聞いていた通りの脚力をしていました」と驚嘆した。中学時代の陸上大会では、のちに日本人で初めて10秒の壁を破ることになる日本記録保持者に先着。“桐生に勝った男”の肩書はダテではなかった。

 既に赤星憲広氏(スポニチ本紙評論家)が付けていた背番号53番に内定。甲子園歴史館では先輩の偉業が華々しく展示され、「歴史のある球団だな…と改めて感じた。将来的にはあそこに載るような活躍をしたい」と猛虎のレジェンドへの仲間入りを夢見た。

 憧れの赤星氏は新人から5年連続盗塁王を達成。同じ道を思い描き、「体をひと回り大きくしなければいけない」と課題を自覚した。施設見学を終え、「どこも素晴らしいところばかりでした。素晴らしい環境で野球をやらせてもらうので、自己管理をしっかりとやっていきたい」と決意新た。どんなスタートダッシュを決めるのか。来春が待ち遠しい。(河合 洋介)

 ▽30メートル走 30メートル走では主に速筋が使われ、瞬間的なスピードを鍛える目的でサッカーのトレーニングでも採り入れられることが多い。野球でも塁間27・431メートルと距離が近く、走力の指標の一つとされている。この距離なら陸上選手ともタイムは遜色なく、ウサイン・ボルトが09年の世界選手権で男子100メートルの世界記録(9秒58)を出した時の30メートル到達タイムは3秒78だった。ちなみに、サッカー日本代表FWの浅野拓磨は3秒67でトップクラスと言われている。

 ◆島田 海吏(しまだ・かいり)1996年(平8)2月6日生まれ、熊本県出身の21歳。小4から野球を始め、鶴城中では軟式野球部。九州学院では1年秋からレギュラーで2年時に選抜出場。上武大では2年春から正中堅手を務め5度の全国大会出場。昨年、今年の日米大学野球と今夏のユニバーシアードで侍ジャパン大学代表に選出。1メートル75、72キロ。右投げ左打ち。

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