巨人 4年ぶりのリーグ優勝へ「試合をつくる」野上は的確な補強

[ 2017年12月3日 09:50 ]

<野上・巨人契約合意>巨人との契約を合意し、笑顔で会見する野上
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 巨人が西武からFA宣言した野上を獲得した。今季は11年ぶりのBクラスとなる4位に終わり、まずは先発陣の補強を敢行した。高橋監督は「コントロールもいいし、今年は1年間ローテーションで回っている。1年間投げきることは全員ができることではない」と評価した。

 10、11年は西武担当だったが、野上は常に「試合をつくること」というコメントを繰り返していた印象がある。先発として6、7回までリズムよく投げる。たとえ失点しても、ビッグイニングをつくらせず、粘る。投球に派手さはないが、そんなタイプの投手だった。今季はわずか24四球。ストライクゾーンで勝負しながら、11勝を挙げた。

 先発投手の評価の基準として、規定投球回クリアが挙げられる。巨人は菅野、マイコラス、田口の3人がクリア。セ・リーグで3投手がクリアしたのは実は巨人のみ。優勝した広島は野村、大瀬良の2人だった。マイコラスがメジャー復帰する可能性があるだけに、イニング数を投げられる先発投手の補強という点において、野上は適任と言える。

 高性能弾道測定器「トラックマン」では、直球は1分間に2400回転以上の数値を計測。これは菅野や楽天・則本ら、球界を代表する投手に迫る数値だ。驚くような球速はなくても、打者は打ちにくい球筋となっている。野上の今季の被本塁打は10本。イニング数が違うから単純に比較できないが、菅野、マイコラスと同数だ。

 4年ぶりのリーグ優勝を狙う巨人。菅野、田口の柱に、野上が加わることは戦力としては大きい。リーグが変わっても「試合をつくる」投球を貫けば、結果はついてくると思う。(記者コラム・川島 毅洋)

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2017年12月3日のニュース