星野氏殿堂入りパーティーに1100人 野球普及への思い熱弁

[ 2017年11月29日 05:30 ]

2013年の日本シリーズの裏話をする星野仙一氏(左)とヤンキース・田中
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 楽天・星野仙一球団副会長(70)の「野球殿堂入りを祝う会」が28日、都内のホテルで行われた。教え子のヤンキース・田中将大投手(29)ら各界の著名人約1100人が出席。プロ、アマの球界関係者が集う前で、プロアマ一体となって、野球の普及活動の取り組む総決起を熱く呼び掛けた。

 闘将は70歳にして、意気軒高だった。自身の殿堂入りを祝うパーティーの締めのあいさつ。その壇上でさらなる夢を語った。

 「全国の子供が野球をできる環境をつくらないといけないという夢を持っています。(活気のあった巨人の)V9時代の球界に戻さないといけない。プロもアマもない。野球界(全体)と考えれば底辺も拡大する」

 プロ野球の熊崎勝彦前コミッショナーほかプロのOBがいた。アマも関係者約400人を招待。明大・善波達也監督、履正社・岡田龍生監督、日大三・小倉全由監督らが顔をそろえる中、垣根を越えた活動を訴えた。

 恩返しでもある。各界の著名人約1100人を前に「これだけの人が来てくれた。野球をやってて良かった。野球と恋愛して良かった。もっともっと恋したい」と語った。自らを育ててくれた野球。少年少女の競技人口の低下が叫ばれる現状を看過できなかった。

 投手として通算146勝。監督として中日、阪神、楽天でリーグ制覇、13年には楽天で球団初の日本一に導いた。当時のエース、ヤンキース・田中とのトークショーでは、巨人との日本シリーズ第7戦で、前日に160球完投した右腕を救援登板させたことを回顧。「試合前はベンチから外すつもりだった。でもコーチが“将大が投げたいと言っている”というから入れた」とした上で、テレビ番組で田中が登板志願を否定していたことを問い詰めた。田中も「ちょっと記憶が曖昧なんですけど…投げるつもりでいました」としどろもどろになる一幕に会場は沸いた。

 時代とともに選手への接し方も変わった。だが、根幹には熱い野球愛がある。 (黒野 有仁)

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2017年11月29日のニュース