阪神・桑原、初の晴れ舞台でガチガチ 緊張で声裏返った

[ 2017年11月21日 05:47 ]

NPBアワーズ2017 ( 2017年11月20日 )

最優秀中継ぎ投手賞を受賞した桑原(左端)
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 プロ野球の今季タイトル獲得選手らを表彰する「NPB AWARDS 2017 supported by リポビタンD」が20日に都内ホテルで開かれ、阪神・桑原謙太郎投手(32)がマルコス・マテオ投手(33)とともにセ・リーグ最優秀中継ぎ投手賞を獲得し、10年目で初めて晴れ舞台に立った。阪神勢では一人だけの出席で終始緊張の様子。来季へ向けて「第2の魔球」習得を期した。

 菅野、柳田、筒香にサファテ…。球界の「顔」たちがただならぬオーラを放つ中、阪神から一人だけ参加した桑原はガチガチだった。式典前から「緊張しかしていない…」と漏らし、壇上では「すごい光栄です」の「ご」の部分で声が裏返った。

 「中継ぎ陣がみんなよかったので、それに引っ張られた。(シーズン中は)ずっと緊張していました。これから頑張ります」

 華やかな舞台でボソボソと話す姿に会場内からは小さな笑いが起き始め、最後に「これから頑張ります」と小さな声で結ぶと爆笑が起こった。昨季はタイトルどころか1軍未登板。晴れ舞台に立つ姿は本人も含めて誰も想像できなかった。極度の緊張は無理もなく、なんとも初々しい初受賞だった。

 壇上とは違い、43ホールドポイントを挙げたマウンド上の勇姿は頼もしかった。投手陣最多67試合登板。防御率1・51の安定感が光った。同様のフル回転を期待される来季。簡単にいくとは思っていない。対策を練られることを念頭に「第2の魔球」の習得に乗り出す考えを明かした。

 「次の(来春)キャンプから取り組んでいこうかなと。使える球種を増やしたい。何か一つ使えるボールを探して実戦で使えるぐらいまでにしたい」

 現時点では「決まっていない」と球種は絞らず、フォークやチェンジアップなど“落ちる球”や“抜く球”を思い描いた。150キロ近い速度と鋭く曲がるスライダーで打者を圧倒した今季スタイルに別の軌道を加えて幅を広げる狙いだ。「今年1年やれたけど、来年も勝負。競争に勝たないと1軍に残れない。若くてイキのいいピッチャーが多いので、負けないようにしたい」。“2年目のジンクス打破”へさらに進化を誓った。(巻木 周平)

 ○…阪神の最優秀中継ぎ投手は15年の福原以来4年ぶり。4、5人目の受賞。2人同時は史上4度目で、同一チームからは10年ソフトバンク・摂津、ファルケンボーグ、13年巨人・山口、マシソンに続く3度目。

 ○…桑原は昨季1軍登板なし。前年登板のない投手の受賞は、リリーフポイント時代(96〜04年)を含めても99年岩瀬(中)、09年摂津(ソ)の新人受賞だけで、プロ入り2年目以降では初。これまでは13年佐藤達(オ)の前年14試合が最少だった。

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