広島ドラ1中村 高校引退試合V弾締め「勝負強さが一番の売り」

[ 2017年11月20日 05:56 ]

定期戦   広陵6―3広島商 ( 2017年11月19日    コカ・コーラウエスト )

5回、決勝2ランを放つ広陵・中村
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 広島からドラフト1位指名された中村奨成捕手(18=広陵)が19日、引退試合となる広島商との定期戦(コカ・コーラウエスト野球場)に「3番・捕手」で出場し、高校通算45号となる決勝2ランを放った。「勝負強さが一番のウリ」と胸を張るスラッガーには、年間12本塁打超えをはじめとした広島捕手の記録更新に期待が掛かる。

 千両役者だ。2―2に追い付かれた直後の5回1死二塁。直球を捉えた中村の金属バットから快音が響いた。ライナーで左翼ポール際のスタンドへ。今夏の甲子園準決勝、天理戦以来となる高校通算45号だった。

 「同点に追い付かれた後だったので、何とか勝ち越したかった。(打った瞬間は)入ってくれ、と思った。狙っていなかったけどうれしかった」

 ベンチ前でのチームメートの手荒い祝福もこれで最後だと思うといつも以上に心地いい。今夏の県大会決勝・広島新庄戦で決勝ソロを放ち、甲子園3回戦・聖光学院戦でも決勝2ラン。ここぞの場面での頼もしさは健在だった。

 「勝負強さが一番のウリなので、ああいう場面で打ててよかった。その長所を生かしてプロの世界でもやっていきたい」

 64年間破られていない本塁打記録更新が望まれる。これまで2桁本塁打を放った広島捕手は、53年に12本を放った門前を筆頭に、76年に11本の水沼、09年に10本の石原、14年に10本放った会沢の4人のみ。甲子園新記録となる1大会6本塁打を放ったスラッガーには、決して届かない数字ではない。

 球団では唯一の3割打者となっている96年西山の打率・314。88年達川の得点圏打率・356。53年門前の61打点のすべてを塗り替える可能性を秘めている。

 8回2死では左翼への二塁打を放ち4打数2安打、初回には二盗も成功させた。9回の守備で退くまで高校最後の一戦を楽しんだ。

 「最後なので悔いが残らないように打った。悔いはない」。自信を胸にプロの世界へと羽ばたく。 (柳澤 元紀)

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