元プロの意地!トヨタ自動車・細山田 俺も日本一 3度盗塁刺しV呼んだ

[ 2017年11月13日 05:30 ]

スポニチ後援第43回社会人野球日本選手権最終日・決勝   トヨタ自動車3―1日本生命 ( 2017年11月12日    京セラドーム )

<日本生命・トヨタ自動車>優勝を決めて佐竹(左)と抱き合うトヨタ自動車・細山田
Photo By スポニチ

 トヨタ自動車が日本生命との決勝を3―1で制し、3大会ぶり5度目の優勝を果たした。元ソフトバンクの細山田武史捕手(31)が序盤3度の盗塁阻止で流れを呼び、6回に河合完治内野手(25)が決勝打を放った。MVPには多木裕史外野手(27)が選出された。

 最後の打者を遊ゴロに仕留めると佐竹と抱き合い、喜びを爆発させた。昨年の都市対抗制覇に続く2大大会の頂点。トヨタ自動車の投手陣を引っ張ったのはプロの荒波にもまれた細山田だった。

 「社会人野球を経験して本当に勉強になった。新しい自分も発見できたし、より成長できたと思う」

 プロ時代はあまり評価されなかった肩で流れを引き寄せた。3回に二盗を2度阻止し、4回にも無死で出塁したDeNA2位指名の神里の二盗を刺した。DeNAの前身の横浜でプレーしていた09年に盗塁阻止率・173でリーグ最下位、11年も・188だった男が日本生命の足攻を完璧に防ぎきった。

 「あまり走ってくるチームじゃないので、単独スチールはないと思っていた。スローイングはうまくないが、小出が低めにしっかり投げてくれたので」

 守備で発奮した裏には攻撃面でのミスを取り戻したい気持ちがあった。2回1死一、三塁ではスクイズのサインを見逃して空振り三振。三塁走者も刺される併殺で好機をつぶした。「プラスマイナスゼロとは言わないけれど、何とか気持ちで貢献したかった」。リードでも4投手の継投を支え、1失点で守り抜いた。桑原大輔監督は「ピンチにしないでしっかり止めてくれた」と盗塁阻止を称えた。

 今年の日本シリーズはソフトバンク―DeNA。くしくも古巣2球団の激突。「感慨はなかった」と笑っても試合はチェック。自主トレで世話になった内川が本塁打を打つとLINEで「さすがッスね」と送った。ソフトバンクと日本一を“競演”し、記憶に刻まれる秋になった。 (田中 貴久)

 ▼トヨタ自動車・多木(MVPと首位打者賞を獲得)出来過ぎの部分はありますが、素直にうれしい。絶好調という感じではなかったけれど、うまく調整できました。

 ◆細山田 武史(ほそやまだ・たけし)1986年(昭61)4月29日、鹿児島県生まれの31歳。鹿児島城西―早大を経て08年ドラフト4位で横浜(現DeNA)入団。13年12月に育成選手としてソフトバンクへ。15年4月に支配下登録も同年10月に戦力外通告。プロ通算203試合出場、打率.171、1本塁打、25打点。トヨタ自動車加入2年目。1メートル79、78キロ、右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2017年11月13日のニュース