サファテ外国人選手初の正力賞 米でコメント「人生の誇りに」

[ 2017年11月10日 06:10 ]

正力松太郎賞を受賞したサファテ
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 今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督、選手に贈られる「第41回正力松太郎賞」の選考委員会が9日、都内で行われ、プロ野球新記録の54セーブをマークしたソフトバンクのデニス・サファテ投手(36)が満場一致で初選出された。賞金500万円が贈られる。絶対的守護神としての存在感などを評価されて外国人選手では初の栄誉となった。

 驚きの通知だった。外国人選手の受賞歴はなく、07年以降は10年連続で日本シリーズ優勝監督が選ばれていた。午後に一報が届いたソフトバンクは大慌て。日本一翌日の5日、帰国の途に就いた守護神とは時差もあり、連絡がつかなかった。「電話はしたけど、つながらない。メールは残したけど、時差がある」。球団広報は困り果てた様子だった。

 それだけこれまでの「慣例」を覆す活躍だった。年間54セーブのプロ野球新記録。日本シリーズは第6戦で9回以降の3イニングを無失点、1勝2セーブでMVPに選ばれた。20日に発表されるシーズンMVPも有力候補の一人だ。

 本命と目されていたのは「日本一監督」の工藤監督だった。それでも所用でヤフオクドームを訪れた指揮官は手放しで祝福。「これだけの活躍は彼の長い野球人生でもそうないだろう。その力なくしては優勝はできなかった。サファテなら(受賞は)当然だと思う」と笑顔を浮かべた。

 午後10時すぎ、ようやく球団からコメントが出た。「日本の野球の歴史に名前が残り、とても光栄です。日々の努力が実り、歴代の受賞者の仲間に入れたことに感激します。外国人選手として初受賞できた。人生の誇りにしたい」。自宅のあるアリゾナはまだ、早朝だった。時差ぼけで早起きしなければ発信されなかったコメントかもしれない。 (福浦 健太郎)

 ▽正力松太郎賞 日本のプロ野球の発展に大きな功績を残した故正力松太郎氏を記念し、1977年に制定された。プロ野球界に貢献した監督、コーチ、選手、審判員を対象に選考委員会が選出する。受賞者は日本一に輝いた監督が多く、最多は第1回を含めて4度受賞している王貞治氏。

 ◆正力賞選考委員 王貞治(ソフトバンク球団会長)、杉下茂(野球評論家)、中西太(野球評論家)、山本浩二(野球評論家)、門田隆将(作家)=敬称略、順不同=

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