金本監督、高山再生へ実演指導「二塁打の多い打者になって」

[ 2017年11月9日 05:45 ]

高山(左)に打撃指導をする金本監督
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 二塁打量産が再生の道だ――。阪神・金本知憲監督(49)が高知・安芸の秋季キャンプ第2クール2日目の8日、今季不振だった高山俊外野手(24)に実演指導し、「二塁打の多い、いい打者になってほしい」と期待を寄せた。本拠地・甲子園は左右中間が広く二塁打が出やすい。俊足も兼備する高山なら巨人・マギーが今季打ち立てたセ・リーグ記録のシーズン48二塁打超えも夢ではない。

 雨天のため野手陣が汗を流した室内練習場の片隅。金本監督がバットを手に取った。高山にスイングを見せるためだ。現役時代をほうふつさせる美しいフォームからティー打撃で11度、素振りで7度バットを振った。今キャンプにも招いた広戸聡一氏が提唱する4スタンス理論では金本監督と高山は同じ「B2タイプ」に分類。実演が最も伝わると判断した。

 「自分に一番合った打ち方ができていないのかなということでね。去年、夏くらいにやっていたことが一番結果に出ていた。ブサイクでもいいから早めに(体を)割って、ステップしてということをね。本人も、あの頃の打ち方でよかったんだというのを、感じていると思うし」

 熱視線を送り、身ぶり手ぶりを交えて言葉も伝えた。狙いは新人王を獲得した入団1年目の夏頃の打撃を思い出させることだった。「彼は瞬発力も、体力も、もともとの打撃センスもある。打撃センスは僕よりも全然、上」とほれ込む逸材。根拠や裏付けさえ確立できれば、今季のような不振はないはず…。期待の言葉を継いだ。

 「基本的には二塁打の多い、いい打者になってほしい。右中間、左中間に打って、一、二塁間に打って一、三塁にする打撃とかもできて、広角に打ってほしい。二塁打の多い選手に」

 掲げた理想像は「二塁打王」だ。条件はそろっている。本拠地は左右中間が広大な甲子園だけに「出やすいね」と二塁打量産を期待。卓越したバットコントロールと俊足を兼ね備えていることを思えば、巨人・マギーが今季記録したシーズン48二塁打のセ・リーグ記録更新も夢ではない。「そうね。本塁打は別に10本くらいでもいいけど」。再起を望む来季3年目へ土台づくりに専念させる。(惟任 貴信)

 ▼高山の二塁打 プロ1年目の昨季は23本で、チームでは福留と北條の25本に次ぐ3位。今季は打数の減少もあり15本。ちなみに金本監督の通算440二塁打はプロ野球歴代4位。シーズン最多は09年の37本で、41歳シーズンだった。

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