大谷 代理人決め手は意向の合致 移籍先は金額より起用法や環境重視

[ 2017年11月8日 05:31 ]

ついにメジャー挑戦を表明!決意に満ちた表情で合宿所からグラウンドに向かう大谷
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 今オフにポスティングシステムを利用して、メジャー移籍を目指す日本ハム・大谷翔平投手(23)が7日、千葉・鎌ケ谷で、大手エージェント「CAA(クリエーティブ・アーティスツ・エージェンシー)スポーツ」と代理人契約を交わしネズ・バレロ氏(54)が担当することを明かした。事実上のメジャー挑戦表明で、高校時代から抱いてきた夢へ、大きな一歩を踏み出した。

 どこか吹っ切れた表情だった。球場で10月に手術した右足首のリハビリを行った大谷は、5年間生活した勇翔寮に戻って、契約したばかりの代理人について切り出した。

 「自分で決めた。自分が向こう(メジャー)に行くために必要なものなので、このタイミングで決めた」

 昨年の契約更改の席で、球団にポスティングシステムを利用した今オフのメジャー移籍を容認されてから1年。二刀流で衝撃を与えてきた男が、プロ入りしてから初めてメジャー挑戦を表明した。

 海を渡るための交渉の窓口を担うのが、米国の大手エージェント「CAAスポーツ」のネズ・バレロ氏だ。青木(メッツからFA)、田沢(マーリンズ)の日本人メジャーリーガーに加え、ブラウン(ブルワーズ)、ジョーンズ(オリオールズ)ら大物を抱える敏腕代理人でトム・クルーズ似のイケメンとしても知られる。

 大谷は6日に来日中のバレロ氏と都内で直接対面し、最終的に契約を交わした。10月から父・徹さん(55)ら大谷サイドは弁護士を立てて、水面下で複数の代理人と面談。大物を多数抱える「スコット・ボラス・コーポレーション」、ダルビッシュ(ドジャースからFA)、前田(ドジャース)らを抱える「ワッサーマン・メディア・グループ」、イチロー(マーリンズからFA)と契約しているジョン・ボッグス氏らも参加した。その中から数社に絞り、最終的に大谷が判断した。

 バレロ氏を選んだ理由について、大谷は「一緒に頑張りたいなというか…、そこじゃないかな」と言った。面接では各社が、今後の交渉法や将来のプランなどをプレゼン。金額交渉より二刀流での挑戦や、プレー環境を優先する大谷の意向と合致したとみられる。

 今後は日米間で協議しているポスティングシステムの改定交渉が合意するのを待って、球団との話し合いが始まる。「今の段階で言えることはメジャーに行くために代理人を決めたということ。その気持ちはずっと持っていた」。岩手・花巻東時代から抱く大志。10日に都内で会見を行う予定で、夢に向けた動きが本格化していく。

 ▽CAAスポーツ CAAは「クリエーティブ・アーティスツ・エージェンシー」の略で、母体は75年にカリフォルニアで設立された世界最大級の芸能事務所。トム・クルーズ、ブラッド・ピット、キャメロン・ディアス、レディー・ガガら多くのハリウッド俳優や歌手を顧客に抱える。スポーツ部門は06年に創設され、大リーガーではカノ(マリナーズ)、ブラウン(ブルワーズ)、ポージー(ジャイアンツ)らが所属。NBAやNFLにも顧客が多く、サッカー界ではC・ロナウド(Rマドリード)らが所属している。

 ≪大谷の過去のメジャーへの発言≫

 ☆自分の夢 花巻東時代の12年10月21日に会見。「自分の夢。入学した時からそういう気持ちは強かった」とメジャー挑戦を表明。

 ☆可能性はゼロ 同25日のドラフトで日本ハムが1位指名を強行。練習中に指名を告げられ、「(入団の)可能性はゼロです」。

 ☆大きな選手になって 12月9日に日本ハム入団を表明。「日本一になって、大きな選手になって挑戦したい」と前を向いた。

 ☆チビっ子の質問に… 14年11月26日にイベントで北海道鶴居村を訪問。「メジャーに行きたいか?」という子供の質問に「日本で成長してそれくらいのレベルになったら行きたい」。

 ☆昔から変わらない 16年11月21日に北海道幕別町の町民と交流。メジャーへの思いを問われ「昔から行きたいのは変わらない。そこで結果を残したいと思っている」。

 ☆野球の勉強は… 12月5日の契約更改交渉で、球団が17年オフ以降のポスティングでのメジャー挑戦を容認。「正式に自分の気持ちを優先させてもらえる形になった。ありがたい」と感謝。英語の勉強については「野球の勉強はしてます」と笑顔。

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