楽天躍進支えたルーキー高梨、8月死去の祖父にささげたCS快投

[ 2017年11月6日 10:30 ]

10月18日のCSファイナルSソフトバンク戦の7回1死一、二塁から登板、ピンチを脱した楽天・高梨
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 日本一に輝いた13年以来、4年ぶりにAクラス(3位)入りし、CSでもファイナルSまで進出した楽天。その好成績に貢献した1人が新人・高梨雄平投手(25)だ。JX―ENEOSからドラフト9位で入団。開幕1軍でスタートすると左横手の中継ぎとして46試合に登板し1勝0敗14ホールド、防御率1・03。CSでも8試合中7試合に登板し、防御率0・00を記録するなど気を吐いた。

 快投を届けたい人がいた。8月15日に祖父・宗人(むねと)さんが亡くなった。80歳。胃がんだった。訃報はメットライフドームで行われた西武戦後に知った。球場を後にするドーム内の通路で目には涙を浮かべた。

 幼少期、川越市内で酒店を営んでいた宗人さんの手伝いをすることがあった。自販機にたばこを補充したり、酒類の配達に同行もした。「小さい頃は怖い存在だった」と言う。一代で店を立ち上げた祖父は厳しかった。だが、それ以上に優しいおじいちゃんでもあった。早大でプレーした大学時代までは試合に応援に駆けつけてくれた。「祖父は野球をやりたかったみたいだけど、家庭の事情で早く稼がなきゃいけなくて、できなかったようなんですよね」。がんが見つかったのは昨年12月。8月には入院。それでも、テレビなどで活躍を見守ってくれていたという。

 最後に会ったのは亡くなる前日の8月14日。移動日だったこともあり、川越市内の病院を見舞い、病室で2人にしてもらった。「家族もみんな応援している。頑張ってくれ」と声を掛けられた。その約2カ月後。10月18日、ソフトバンクとのCSファイナルS初戦(ヤフオクドーム)。高梨は1死一、二塁のピンチで登板すると代打・長谷川勇を二ゴロ併殺打に打ち取り、渾身のガッツポーズを見せた。大事な初戦の勝利に貢献するその姿も、どこかで、おじいちゃんは見ていてくれたはずだ。(記者コラム・黒野有仁)

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