京都・乙訓 タケノコ級の成長力長岡京市から初の甲子園へ

[ 2017年11月4日 08:14 ]

秋季高校野球近畿大会準々決勝   乙訓9―4智弁学園 ( 2017年11月3日    大阪シティ信用金庫スタジアム )

<智弁学園・乙訓>初回1死一、二塁、先制3ランを放った宮田(右から2人目)を祝福する乙訓ナイン
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 来春選抜大会の重要な選考資料となる秋季近畿大会の準々決勝が大阪市の大阪シティ信用金庫スタジアムであり、乙訓(おとくに=京都1位)が智弁学園(奈良1位)を投打で圧倒して4強入りを決め、春夏通じて初の甲子園出場を確実にした。智弁和歌山(和歌山1位)、近江(滋賀1位)、大阪桐蔭(大阪1位)もそれぞれ準決勝へ駒を進めた。

 創部54年目の公立校・乙訓(おとくに)が春夏通じて初の甲子園出場へ当確ランプをともした。初回1死一、二塁から宮田康弘外野手(2年)が内角高めの直球を仕留め、左越えへ3ラン。16年選抜王者に強烈な先制弾を浴びせた4番は「全力で振った結果です」と胸を張った。

 積極的な走塁に11安打を絡めて9得点。好調の打線に引っ張られる形でダブルエースも躍動した。スリークオーターの左腕で背番号10の富山太樹投手(2年)は直球に鋭いスライダーを織り交ぜ、7回3失点。最速は138キロを計測した。8回から登板した背番号1の右腕・川畑大地投手(2年)は自己最速を2キロ更新する142キロを叩き出し、2回を1失点にまとめた。富山は「僕たちは挑戦者。足元を見て一戦ずつ戦います」と言葉に力を込めた。

 両翼100メートルを超える学校グラウンドは外野が天然芝、内野は黒土。室内練習場は最大6カ所で打撃練習が可能だ。元横浜の染田賢作氏が責任教師でベンチ入りするなど、公立校ながら抜群の環境が整う。女子マネジャー6人を含めて部員81人を束ねる就任3年目の市川靖久監督(34)は鳥羽で主将を務め、00年春夏の甲子園に出場。若き指揮官は「大会を通じて成長している。高校生は急激に伸びる」と驚いた。

 市内に竹林が点在し、タケノコの名産地としても知られる長岡京市。同市内にある高校は3校だけだ。春夏通算7度の甲子園出場を誇る立命館は同市移転後に出場がなく、4強入りを決めたことで長岡京市から初の甲子園行きは確実な情勢だ。準決勝は智弁和歌山が相手。まるでタケノコのようにグングン成長を続ける乙高(おつこう)の進撃は簡単に止まりそうもない。(吉仲 博幸)

 ▼長岡京市 京都府京都市の南西に隣接する市で、面積約19平方キロ、人口約8万人。名称は平城京と平安京の間(784年〜794年)に都が置かれた「長岡京」に由来(ただし京域の大部分は東部に隣接の向日市に位置)。市内に竹林が点在し、タケノコの名産地として知られる。主な出身者にサッカー日本代表の宇佐美貴史、海堀あゆみ、ミュージシャンの種ともこ。

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