阪神・藤浪、再生へ新フォーク!直球&カットから“イメチェン”

[ 2017年11月3日 05:57 ]

ブルペンで投球する阪神・藤浪
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 阪神の秋季キャンプが2日、高知県安芸市でスタートした。今季、3勝に終わるなど不振だった藤浪晋太郎投手(23)が初日からブルペン入りし、決め球としてきたフォークの握りを2種類試すなど試行錯誤。シーズン終盤には復調への手応えをつかんでおり、若きエースが、完全復活へ歩み始めた。

 立ち止まっている時間はない。藤浪が、キャンプ初日から、全力で腕を振っていった。直球、スライダー、カットボール…と持ち球を一通り投じるなかで、時間を割いたのが、フォークだった。

 「ツーシームも投げましたし、フォークだけを投げたわけではないです。(普段のブルペンも)思いついたら、投げているので。(フォークは)あればいいなと。自分が三振を取る決め球なので」

 本人に特別な意識はなくても、全63球のうち、フォークには試行錯誤が垣間見えた。これまで投じてきた握りの浅いものに加え、深く握って、落差を大きくした“新球”を試投。ミットを構えた坂本に「ドリスみたいなイメージで」と伝えるなど、守護神の宝刀も思い描きながら入念に感触を確かめた。

 坂本は言う。「シーズン中にフォークに対する打者の反応が良くないということで。藤浪=ストレート、カットのイメージがある中で、落ちる球で振らせれば、楽になるのかなと。(握りは)どれが合うか探さないといけない」。マスク越しにはっきりと、右腕の狙いを感じ取った。

 数字は顕著だ。昨年、一昨年と全体の6〜7%だったフォークの割合が、今季に限っては約2%まで低下。「そもそもカウントをしっかり取れなかったので、ボール球になるフォークは使いづらかった」と振り返ったように、シーズンを通して制球に苦しんだ。直球とカットボール頼みになる悪循環。フォークを投じる余裕もなくなっていった。

 これまで幾多の打者に空を切らせてきたフォークの“復調”もまた、来季へ向けて大きなカギとなることは言うまでもない。そんな決意が、初日のブルペンに表れた。

 「しっかり与えられたメニューをやって、自主練習の時間もあると思うので、有効に使ってやっていけばいいかなと思う」

 10月はフェニックス・リーグで登板を重ねた。17日のCSファーストステージ第3戦では中継ぎ登板し2回無失点。来季へ確かな手応えをつかんだ。逆襲を期す18年シーズン。藤浪の戦いは始まっている。 (遠藤 礼)

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2017年11月3日のニュース