“ダルのために”ドジャース一丸 差別行為への対応にナイン奮起

[ 2017年10月30日 05:30 ]

ワールドシリーズ第4戦   ドジャース6―2アストロズ ( 2017年10月28日    ヒューストン )

アストロズを破ったナインを出迎えるドジャースのダルビッシュ(中央)ら
Photo By 共同

 ドジャースは28日(日本時間29日)、アストロズに逆転勝ちし2勝2敗とした。試合前のベンチでメジャーでは珍しい円陣を組み、第3戦でアストロズのユリエスキ・グリエル内野手(33)から差別的行為をされたダルビッシュ有投手(31)のために戦うことで一致団結。苦しい試合を制した。

 ダルビッシュに勝利を――。ド軍ナインは、ポストシーズン本拠地7連勝中のアストロズに先制されても諦めなかった。0―1の7回。シリーズ13打席無安打8三振の4番ベリンジャーが左中間二塁打を放ち、後続の適時打で同点のホームを踏む。9回は左中間へ決勝二塁打を運び「今日は最初からいい感じだった」と話した。

 27日の第3戦でダルビッシュから本塁打を放ったグリエルが、目尻を指で押さえて両目を細くしながらスペイン語でアジア人の蔑称を口にした。一夜明け、試合前のド軍ベンチで円陣が組まれた。その中でナインはダルビッシュに「おまえのために勝つ」と誓った。

 勝利の後、ダルビッシュはグラウンドから戻ってくる選手たちを列の先頭で迎え、ハイタッチした。普段はエース左腕カーショーが立つ位置だった。自身のインスタグラムには英文で「素晴らしいチームメートを持って本当に幸せ」と記した。

 差別問題が波紋を広げた前日、ツイッターに英文で「非難するより、学ぶ努力をするべき。前へ進みましょう」と投稿。この問題で会見を開いた大リーグ機構(MLB)のロブ・マンフレッド・コミッショナーは「ダルビッシュについても言わせてほしい」と切り出し「模範的な姿勢で対処した。注目すべきは事件から学び、より深く理解する機会にしようと提言した点だ」と異例の賛辞を並べた。

 チームは2勝2敗。「(差別問題は)終わったこと」と頂上決戦に集中するダルビッシュはキャッチボールなどで調整した。第3戦は米最短の1回2/3で4失点KOされたが、第7戦までもつれれば再び先発する見通しだ。

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2017年10月30日のニュース