DeNA「ラミのカーテン」で前哨戦は先勝 8分問答も下克上日本一へ予告先発NO

[ 2017年10月28日 10:40 ]

握手を交わすラミレス監督(左)と工藤監督
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 SMBC日本シリーズが28日、ヤフオクドームで開幕し、ソフトバンクとDeNAが対戦する。27日の監督会議ではソフトバンク側から予告先発が提案されたが、DeNA側が拒否。多彩な選手起用でクライマックス・シリーズ(CS)を勝ち上がってきたアレックス・ラミレス監督(43)が「ラミのカーテン」を引いた格好で、前哨戦はDeNAの先勝となった。

◆指揮官「元々、規定のルール。それに従う」◆

 工藤監督の提案にラミレス監督がうなずくことはなかった。「全試合で予告先発を希望できればと思っています」との申し出に対し、「できれば現行の、ないままでいきたい」との返答。ソフトバンク側は「パ・リーグ本拠の4試合だけでも」と切り返したが、これには主催の日本野球機構(NPB)から「運用としてそういう取り決めはない」とストップがかかった。約8分間の問答を経て実施されないことが決まった。

 「元々、規定のルールがそれ(予告先発なし)で、それに従うということです。良いとか悪いではなく、ルールに従うだけ」。会議後のラミレス監督は淡々と語ったが、DeNAに有利に働く可能性が高い。先発投手5枚中、左腕が3枚で右が2枚。ソフトバンク の左腕は和田だけで、残 りは右腕だ。先発予 想が難しくなれば、オーダーにも影響する。

 CSファイナルSは第4戦で今永、第5戦で浜口と、救援経験のない左腕を次々と中継ぎで送る驚きの采配で、流れをつかんだ。膨大なデータと状況判断で、3位からの下克上進出を遂げた。

 日本シリーズの予告先発は両軍の同意があれば可能で、昨年は実施された。工藤監督は拒否に「想定していた」とし「(先発は)隠すが、選手のコンディションに影響するようなことはしない」と続けた。達川ヘッドコーチも「さすが、先手一本取られたよ。明日は勝つよ。ラミちゃんは頭がいいから気を付けないと」と前哨戦は降参しながらも、敵将を警戒した。

 「CSではいろいろな決断がうまくいったが、僕は決断しただけ。実行したのは選手」とラミレス監督。ベールに包んだ変幻自在のタクトは、日本一を決める舞台でも変わらない。 (後藤 茂樹)

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