中日6位 市西宮・山本「ホッとした」、小さな体に熱い闘志

[ 2017年10月26日 23:50 ]

中日からドラフト6位指名を受けた市西宮・山本はチームメートに抱えられて笑顔
Photo By スポニチ

 ドラフト会議が始まって2時間以上たってから、待ちに待った吉報が届いた。中日からドラフト6位で指名された市西宮・山本拓実投手は「名前が呼ばれてホッとした。3位、4位と進んでも、なかなか呼んでもらえず不安になった」と胸をなで下ろした。

 身長1メートル67、71キロと一般の学生の中に入っても小さい。中学時代は二塁手で、本格的に投手の練習を開始したのは高校入学後だ。だが、最速148キロの速球と闘争心あふれる投球スタイルで兵庫県下屈指の公立進学校を牽引し、3年時には春夏と県大会8強入りに貢献。一躍、注目を集め、同校からは1975年の山中浩次外野手(近鉄5位)以来、42年ぶりのドラフト指名を実現した。

 山本の急成長を促したのは「自分で考える力」だ。選手の自主性を尊重する吉田俊介監督の指導の下、「常にどうしたら自分が成長できるのかを考えてきた3年間だった。市西宮で考える力がついた」と言う。自分で練習メニューを研究して実践。食事の量も増やして体作りにも励み、2年半で球速も体重も20キロアップした。

 そんな山本が目標にするのは楽天のエース則本だ。「そんなに体は大きくないけど、最大限に生かして投げるスタイルは自分にも通じるものがある」。プロで対戦したい打者には日本ハム1位指名の清宮を挙げ、「1番自信がある真っすぐで力と力の勝負がしたい」と真っ向勝負を熱望した。

 体は小さくても、描く夢は誰よりも大きい。「6位指名は下からはい上がれという野球の神様のメッセージ。身長は関係なく、すごい投手と呼ばれたい。日本一の称号がほしい。球速の目標は160キロ。体が小さい選手の希望になりたい」。進学校の小さな大エースは力強く言い切った。

続きを表示

2017年10月26日のニュース