【2017年ドラフト パ・リーグ総括】日本ハムに合う清宮 ロッテの安田指名も大きい

[ 2017年10月26日 20:44 ]

日本ハム1位にガッツポーズする早実・清宮
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 <2017年ドラフト振り返り=パ>

 注目の清宮(早実)は7球団が1位指名。日本ハムが見事に交渉権を引き当てた。外れ1位で3球団が重複した安田(履正社)はロッテ、社会人No.1投手の田嶋(JR東日本)はオリックス。注目度が高かった選手をまたパ・リーグが射止めた。

 日本ハムは今季チームはBクラスに沈んだが、積極的に起用した若手は着実に育っている。なかでも高校生野手の育成に関しては西川、中島卓、近藤らの例を見ても12球団の中でも群を抜いている。実戦の機会を多く与え、長所を伸ばす方針のチームカラーは清宮に合っている。球団としても今オフ、ポスティングシステムで大谷が大リーグへ移籍するのは確実だ。さらにFAにより中田が流出する可能性もある。そこにきて人気、実力とも“怪物級”の清宮が加入となれば、またしばらく球界の話題を独占するだろう。清宮以外は投手を中心に高校、社会人、大学生をまんべんなく指名。宮台(東大)も化ければ面白い。栗山監督も納得がいくドラフトになったのではないか。

 井口新監督を迎えるロッテが安田を引き当てたのは大きい。将来性ある大型三塁手。今季三塁を固定できなかったチームにとって大きな補強となる。さらに2位は即戦力の藤岡(トヨタ自動車)。安田の成長次第では三遊間が固定でき、それにより現有戦力のコンバートにもめどが立つ。3位以下で社会人の即戦力投手を3人獲得。新指揮官の下、1年目から勝負をかける準備を整えた。

 オリックスは、ドラフトでのくじ引き連敗を11で止めた福良監督が田嶋を引き当てたのが一番だが、2位で鈴木康(日立製作所)と左右の即戦力を指名できた。1年目からローテーションを任せられる2人に加えて、下位では高校生内外野手も獲得。バランスが取れた指名となった。

 ソフトバンクは清宮、安田、馬場(仙台大)を立て続けに逃したのは痛いが、将来性重視の吉住(鶴岡東)で落ち着いた。一方で2位のサブマリン高橋(専大)、4位で椎野(国士舘大)と特徴ある2人を指名。3位・増田(横浜)、5位・田浦(秀岳館)と九州にゆかりある実力派選手を指名した。野手は増田1人だが、チームは若手野手が育ってきている。育成も含めて選手層の厚さは球界随一だけに、今ドラフトでも最少の5人指名にとどまった。

 辻監督のもと、若手野手が育ってきている西武も投手中心の指名。指名した2人の高校生内野手も将来性を見込んでのもの。田嶋を逃したのは痛いが、斉藤(明大)が1年目から1軍に定着できれば面白い。外れ外れの1位ながら今季2桁勝利を挙げた浜口(DeNA)のようなポテンシャルを十分に秘めている。

 清宮、村上と高校生2人を外した楽天はパワー右腕の近藤(岡山商大)にシフトした。2位の岩見(慶大)も含めて大化けする可能性を秘めた2人。一方で打って守れる二塁手・山崎(国学院大)を3位で獲得できたのも大きい。投手陣はコマが揃って居るだけに、野手中心(7人中4人)の指名になったのもうなずける。

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