早実・清宮 1位指名7球団か 運命のドラフト「人生で最初で最後の日」

[ 2017年10月26日 05:00 ]

早実の清宮
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 プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が、26日に都内のホテルで開かれる。高校通算最多とされる111本塁打を放った早実・清宮幸太郎内野手(18)に、7球団の1位指名が集まる見通し。表明済みの阪神とヤクルトに続き、25日にソフトバンクの王貞治球団会長(77)が指名を明言しDeNA、巨人、日本ハム、ロッテも参戦しそうだ。「運命の一日」は午後5時に幕を開ける。

 清宮は26日から2日間の日程で行われる早大進学の学部選考の材料となる学力試験を控えドラフト前日は学校で授業を受けた。運命の日を待つ心境を、学校を通じて発表。コメントは短いながらも、静かな過ごし方と対照的な、沸き立つ思いがにじんだ。

 「人生で、最初で最後の日なので明日という日を楽しみにしています」

 清宮がプロ志望表明会見で「憧れ」と口にしたのが早実の大先輩のソフトバンク・王球団会長。世界記録の868本塁打についても「早稲田(実業)の先輩ですし、むしろ目指さなきゃいけないという使命感」とまで言った。その王会長が後輩に熱烈なラブコールを送った。都内で行われた編成会議後、1位指名について「予定通り」とし、清宮かとの問いに、間髪入れず「はい」と答えた。

 ソフトバンクが1位指名選手を公表したのは11年の武田(宮崎日大)以来だ。王会長は「魅力がありますよ。順調に育ってほしいし、育てたい」と熱い思いを披露。さらに「ホークスのユニホームを着て、超特大のホームランを打つのを見たいじゃない。ファンの人も見たいと思う。柳田なんかと競い合ってさ」と思い描いた。

 競合必至の抽選は「神の右手」に託した。工藤監督だ。15年に3球団競合の高橋(県岐阜商)、16年は5球団競合の田中(創価大)の当たりクジを右手で引いた指揮官に「とにかく彼の強運にね」と期待した。工藤監督は日本シリーズ直前で、当日は日帰りの強行軍。だが、託された役目の重さは分かっている。「王会長に引いてくれと言われれば“はい”と言います」と宣言した。

 ソフトバンクは何球団競合しようと、残りクジだ。世界の王の熱い思いは半透明の抽選箱の中まで届くのか。世紀を超えた「2人のホームラン王」は融合の時を待っている。

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2017年10月26日のニュース