【ドラフト連載】熊本工・山口翔 火の国から新風吹かせる152キロ腕

[ 2017年10月22日 09:26 ]

川上哲治・吉原正治両選手の記念モニュメントの前でポーズを取る熊本工・山口
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 【プロ野球ドラフト】26日のプロ野球ドラフト会議まであと4日に迫ってきた。指名を待つ選手たちの表情を5回連載で紹介する。

 大きく羽ばたけ――。その願いを込め「翔」と名付けられた。運命の日を前に「毎日気になるし、待ち遠しい。緊張、不安もあるけど、楽しみ」と胸を高鳴らせている。

 最速152キロの直球が最大の売りだ。今春センバツは初戦の智弁学園(奈良)戦で完投するも、8四球と制球を乱して9失点敗退。それでも全国舞台を経験して「上のレベルで野球がしたい」と、迷わずプロ志望届を提出した。

 現在は投球フォームの確認をしながら、12月までの3カ月間で体力強化を目的に計500キロの走り込みを自らに課す。野球部グラウンドのポール間300メートルを「1日10往復」を目標に走っている。

 熊本で生まれ、2歳で広島市へ。小学4年時に野球を始めた。5〜10歳は水泳も習っていた。現在も欠かさず行う風呂上がりのストレッチで手に入れた肩関節の柔軟性は一つの武器だ。

 母の和美さんが作るカレーライスと回鍋肉(ホイコーロー)が大好物。「素直な子だから、どこでも対応力がある」と和美さんが言うように、小6で熊本に戻っても、山口の周囲は自然と人であふれた。「周りのサポートがあって、ここまで来られた」と山口も振り返る。 

 12球団から調査書が届いており、上位指名は濃厚だ。「熊工代表として恥じないよう、熊本の新しい風を吹かせたい」と意気込んだ。 (杉浦 友樹)

 ◆山口 翔(やまぐち・しょう)1999年(平11)4月28日、熊本県生まれの18歳。落合東小(広島)4年時に高陽スカイバンズで野球を始める。小6で熊本に引っ越し。人吉中軟式野球部を経て熊本工。1年の秋からベンチ入りし、2年春から背番号1。1メートル82、75キロ。右投げ右打ち。

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