DeNA井納、史上初のV撃&1―0勝ち!広島とタイ、下克上日本Sへ加速 

[ 2017年10月21日 05:30 ]

セ・リーグCSファイナルS第3戦   DeNA1―0広島 ( 2017年10月20日    マツダ )

2回2死一、二塁、先発の井納が右前に先制適時打を放つ。投手はジョンソン
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 DeNAが広島を1―0で下し、アドバンテージを含む対戦成績を2勝2敗とした。井納翔一投手(31)が投げては5回1/3を無失点に抑え、打では2回に決勝の右前適時打を放った。CSでV打&勝利投手となったのは10年の吉見(中日)以来だが、1―0での達成は日本シリーズを含め史上初の快挙となった。

 勝利の瞬間を、ベンチの最前列で見守った。井納はいの一番にグラウンドに飛び出すと、満面の笑みでチームメートとハイタッチを交わした。その顔には充実感がにじんでいた。

 「僕に勝敗がつかなくてもチームが勝てば良いと思っていた。本当に勝てて良かった」

 ファーストSから中5日での登板。初回のマウンドに右人さし指で「決闘」と書き込んだ。2、3回と得点圏に走者を背負うも、140キロ後半の直球にフォークやカーブの緩急がさえ、得点を許さなかった。5回1/3を5安打無失点。文字通り、気迫の投球で広島打線を封じ込んだ。

 “打”の主役も井納だった。0―0の2回2死一、二塁。打席で黒田と投げ合った昨季のファイナルSを思い出した。その時の捕手は石原。「内角を攻められたので、今回も来ると思った」。読み通りにジョンソンの内角低めの直球にバットを合わせると、打球は二塁手・菊池の頭上を越えた。これがこの日唯一の得点。CSでの勝利&V打点は10年吉見以来だが、1―0の試合での投手の決勝打は日本シリーズを含めて史上初の快挙だ。

 ラミレス監督からファーストS初戦を任された。昨季のCS2勝の勝負強さを買われたが、6回2失点で敗れた。降板後にはチームサロンで悔し涙を流した。チームメートも声を掛けられないほどだった。「(自身)2連敗はできない」と覚悟を持って臨んだ一戦で、結果を残した。

 これで2勝2敗のタイに持ち込んだ。昨年の同シリーズでは広島に1勝しかできなかったが、壁は越えた。「去年は力の差を見せつけられた。今年は日本シリーズに行きたいだけではなく、リベンジしたい気持ちが強い」と井納。ファーストS登板後に中継ぎ登板の志願もした熱い男が、チームに勇気を生む1勝をもたらした。(中村 文香)

 ≪DeNA“史上初”王手なるか≫DeNA、ソフトバンクが第3戦を制し、対戦成績を2勝2敗のタイにした。これまでPO、CSファイナルSで1勝2敗からタイに持ち込んだチームは14年日本ハムまで延べ8チームあるが、日本シリーズ進出は77年阪急のみ。現行のCSでは次戦に勝って先に王手をかけたチームもない。今季のDeNA、ソフトバンクはどうなるか。

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