「梨田の神継投」楽天、下克上突破!「短期決戦男」美馬を5回途中で交代

[ 2017年10月17日 05:30 ]

パ・リーグCSファーストS第3戦   楽天5―2西武 ( 2017年10月16日    メットライフドーム )

スタンドの声援に応える梨田監督
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 楽天が西武を5―2で下し、日本一となった13年以来、4年ぶりとなるファイナルステージ進出を決めた。梨田昌孝監督(64)の巧みな継投でリードを守った。第1戦の0―10の大敗から、敵地で連勝。全員野球で逆境をはね返した。3位からの下克上へ。ソフトバンクとのファイナルステージは18日から、ヤフオクドームで行われる。 CS日程

 穏やかな笑顔の梨田監督も声色にわずかな興奮が入り交じった。初戦大敗の崖っ縁からの連勝。3位チームが黒星スタートからの2連勝でファイナルS進出は、06年のソフトバンク以来。CSとなった07年以降はリーグ初となった。

 「凄くうれしい。これからテレビや新聞で見るたびに込み上げてくるだろうね」

 引き分け以下で敗退が決まる一戦。信念を持って動いた。2―1の5回2死三塁の秋山の場面で、先発・美馬に代え、ルーキー・高梨を送った。今季の開幕投手で、日本一となった13年は20回2/3を無失点の「短期決戦男」を代えた。「初回に三塁打を打たれていたからね」と説明したが、今季4打数無安打と封じていた横手左腕が空振り三振に仕留めた。7回2死一、二塁では、ハーマンに代えて福山を投入し、空振り三振。キーマンを徹底的に封じた。

 6回無死一塁では、西武が森に代打・メヒアを起用した場面で、宋家豪(ソンチャーホウ)を起用。今季わずか5試合しか1軍登板がない右腕は見逃し三振を奪うなど無失点で切り抜けた。「宋(ソン)しかいないと思った。得をしたね」とダジャレで隠すが、23本塁打のアマダーを外し、右腕を選んだ英断は大一番で生きた。

 「シーズン中はしない継投」と短期決戦ならではのスペシャル継投を強調する。だが、“力がある”と認めた選手を実績度外視でシーズンも使ってきた。開幕1軍には森原、高梨、菅原の新人3投手を抜てき。そこに厳しさもあった。4月6日のソフトバンク戦では、先発の森が4回まで無安打だったが交代。実力主義とデータに基づく采配が、歴史的逆転突破を呼んだ。

 8月中旬まで首位争いをしながら、終盤の大失速で、優勝したソフトバンクとは15・5ゲーム差の3位に終わった。何かを変えなければエネルギーは生まれない。それが、1点を奪い、1点を守る短期決戦仕様の戦いであり、指揮官の「動」の采配だ。4年ぶりの日本一へ夢はつながった。18日から敵地でソフトバンクに挑む。シーズン対戦成績は12勝13敗とひけは取らない。

 「下(3位)からやっている分だけ楽に行けるかな」

 崖っ縁を乗り越えたチームがまた輝きだした。(黒野 有仁)

 ▼美馬(ポストシーズン連続無失点が25イニングでストップし5回途中降板も3安打1失点)最初から飛ばした。5回途中ですが、試合はつくれたかなと思う。

 ▼与田投手コーチ(早めの継投に)僕らが思い切らないといけない。選手に迷いが伝わると良くない。

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