吉報待つ学法石川・尾形 ドラ1でも育成でも「上がる人は上がってくる」

[ 2017年10月17日 11:00 ]

ドラフトで吉報を待つ福島・学法石川高の尾形
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 高校球児はオフ期間でもある冬の頑張りが、春先以降のパフォーマンス向上に大きくつながる。26日に行われるドラフト会議で指名を待つ、学法石川の右腕・尾形崇斗。記者が福島支局在籍中に取材を重ねた中で、冬場の頑張りという意味では最も印象に残る選手の1人だった。

 直球のスピードと質を上げるべく、とにかく体を大きくした。1日3食から6食に増やし、週3回の筋力トレーニングで体を追い込んだ結果、体つきがまるで変わった。冬だけで13キロ増量。効果は早速表れた。フォームも大きく様変わり。秋までは上半身のしなりを生かしていたが、腰を鋭く切るように横の回転主導となった。「(フォーム変更は)意識せず、体を強くしたら良くなるだろうと思い込んでいた。春に投球練習を始めたら、グラブの使い方が全く変わっていた。無駄な力を掛けなくなった」と振り返る。春先の練習試合では主力をそろえた横浜を相手に完封。夏の県大会前に体重は90キロに上がり、昨秋の時点で140キロ前後だった球速は最速150キロに達した。

 大好きな長距離走を封印した。全国屈指の強豪でもある駅伝部の選手と競った、校内のマラソン大会では学年6位。時間さえあれば早朝深夜問わず、寮周辺の山道を走り続けたが「持久力は問題ない」と冬場は体の大型化に集中した。「最高の冬を過ごせた」と振り返る一方で「それまでの野球に対する取り組みが良かったからこそ。ただその冬に頑張っただけじゃないと思う」と胸を張る。入学当初は61キロ。現在は1メートル81、87キロ。約30キロ増量した数字以上にたくましさを身につけた。

 「1位でも育成でも、どんな状況でも上がる人は上がってくる。まずはスタートラインに立ちたい」と運命の日を心待ちにする。まだまだ秘められた伸びしろをプロの世界で披露する日が、記者も楽しみでならない。(記者コラム・池田 翔太郎)

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2017年10月17日のニュース