ダル「息の根止める」有言実行PS初勝利 マエケンと“侍リレー”

[ 2017年10月11日 05:30 ]

ナ・リーグ地区シリーズ第3戦   ドジャース3―1ダイヤモンドバックス ( 2017年10月9日    チェース・フィールド )

リーグ優勝決定シリーズ進出を決め、大喜びするドジャースのダルビッシュ(左から2人目)、前田(左端)ら
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 ドジャースのダルビッシュ有投手(31)は9日(日本時間10日)、ダイヤモンドバックスとの地区シリーズ第3戦に先発し、5回0/3を2安打1失点、7奪三振でポストシーズン初勝利。3連勝に導き、ド軍は2年連続でリーグ優勝決定シリーズに進んだ。今季途中にトレード移籍した右腕は「世界一請負人」としての実力を発揮。前田健太投手(29)も2試合連続の好救援で貢献した。

 シャンパンファイトを早々に切り上げた世界一請負人は、クラブハウス隅から歓喜の宴を笑顔で見つめていた。

 「地区シリーズを勝ち抜いたことに、そこまで喜びは感じない。良い投球をして、みんながそれを喜んでくれる。そういうのを見て自分は喜ぶタイプなので」

 試合前、ダルビッシュはデーブ・ロバーツ監督に宣言した。「アリゾナ(ダイヤモンドバックス)に明日はない。彼らは今日が終わればオフになり、僕たちはホームに帰る」。有言実行の投球を「息の根を止めるくらいの気持ちで行こうと思った」と振り返る。

 誤算もあった。普段は閉じられている敵地の屋根が開いていた。標高330メートルの高地で乾燥した砂漠地帯。屋根が開くと、より変化球は曲がりづらく、打球が飛ぶ「超バッターズパーク」に顔を変える。軸としたのはシーズン終盤から取り組むカットボール主体の配球だ。

 試行錯誤の中、フォームを変えるうちに「横に小さく曲がったり、縦に落ちたりバラバラ。同じリリースで同じ握りで投げても。これはこれで良いかなと」。フォーシーム主体の力で押す以前のスタイルしか知らない相手打線を幻惑した。7三振を奪い、5回にソロを許した以外は二塁も踏ませない。ロバーツ監督も「カットボールが両サイドに制球できていた」と絶賛する無四球投球。6回、先頭打者の頭部に死球を与えて74球で降板した。

 7月末にレンジャーズからトレードで加入も8月末から3連敗。「プレーオフで投げるために呼ばれたのに、このままでは出番がないのでは」と追い詰められたこともあった。配球をガラリと変えて再起。日本投手4人目のポストシーズン先発勝利は、前田、田中に続く日本投手3日連続の白星となった。「(世界一まで)まだあと8勝しないといけない」

 世界一請負人の自覚を胸に、まだ先の頂を静かに見据えた。

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2017年10月11日のニュース