伊東勤氏に侍ジャパン強化本部副本部長就任を要請 実質GMの要職

[ 2017年10月5日 09:10 ]

09年WBCで稲葉監督(右)と侍ジャパンの選手とコーチとして国際大会を戦った経験も
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 侍ジャパン・稲葉篤紀監督(45)を支える要職「侍ジャパン強化本部」の副本部長として、日本野球機構(NPB)がロッテ監督を今季で退く伊東勤氏(55)に就任を要請していることが4日、分かった。チームの「ゼネラルマネジャー(GM)」的な立場とされ、指揮官をさまざまな側面からサポートする。

 20年東京五輪での金メダル獲得へ、伊東氏に白羽の矢が立った。稲葉監督を側面から支えるために新設された侍ジャパン強化本部。本部長には指揮官の法大の先輩である山中正竹氏(70=全日本野球協会副会長)が就任し、副本部長2人を置く予定になっている。1人はメディカル面の管理、情報収集など事務方を担当。そしてもう1人が「重要なポジション。GMのようなもの」(球界関係者)という、球界OBらを候補にしている要職だ。

 伊東氏に就任を要請している副本部長は、チーム編成などを担う。稲葉監督らと侍ジャパンの候補選手を検討し、その所属球団との交渉窓口ともなる。

 従来は選手選考や交渉で監督に大きな負荷がかかっていた。前任の小久保裕紀監督は昨年夏、自ら米国に足を運んで日本人メジャーリーガーと面談した。新体制ではこれらの役割は強化本部が担う。伊東氏は04〜07年に西武、13年からはロッテを監督として指揮。球界の「顔」だ。選手選考の際、ともすれば必要になる12球団への強い押しが利く。

 09年WBCではヘッドコーチとして侍ジャパンの世界一連覇に貢献。原辰徳監督を支え、捕手出身の経歴からバッテリーにも目を配った。稲葉監督とも選手とコーチという関係で、ともに国際舞台での戦い方を肌身に染みて知っている。

 今月28日に東京五輪まで残り1000日の節目を迎える。侍ジャパンの「必勝」体制は着々と整えられていく。

 ◆伊東 勤(いとう・つとむ)1962年(昭37)8月29日、熊本県生まれの55歳。熊本工から所沢に転校し、西武球団職員を経て81年ドラフト1位で西武入団。正捕手として黄金期を支え、ゴールデングラブ賞11度。1263イニング連続守備機会無失策のパ・リーグ記録を樹立した。03年に現役引退し、04年に西武監督就任。1年目に日本一となった。07年の退任後は09年WBCで侍ジャパン総合コーチ、12年は韓国・斗山ヘッドコーチを務め、13年からロッテ監督。17年に野球殿堂入り。1メートル81、84キロ。右投げ右打ち。

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