阪神 清宮に“直球プロポーズ”1位指名伝達、育成案熱く説明

[ 2017年10月3日 05:30 ]

清宮 10球団と面談

清宮との面談を終え報道陣に囲まれながら引き揚げる(右から)阪神・永吉スカウトディレクター、佐野統括スカウト、畑山チーフスカウト
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 阪神は2日、今秋ドラフト会議で1位指名を公表している早実・清宮幸太郎内野手(18)と都内の同校で面談に臨み、1位指名を直接伝えた。

 午前9時30分からスタートした、日本ハムと広島を除くプロ10球団による清宮との面談。各球団の首脳やスカウト陣が「清宮詣で」を行う中、阪神は8番目の登場。佐野仙好アマ統括スカウトと担当の畑山俊二チーフスカウトらが同校正門前に姿を見せたのは午後2時45分。約55分後。面談を終え、再び報道陣の前に現れた佐野スカウトが晴れ晴れとした表情で明かしたのは、清宮への“直球プロポーズ”の事実だった。

 「ウチとしては、1位で指名させていただきます、と伝えた。育成という中で、こういう形でやっていますよと(説明した)」

 清宮がプロ志望表明会見した9月22日に四藤慶一郎球団社長が「それ(清宮1位)が既定方針。クジ引きになると思いますが、1位で指名させてもらおうと思っています。坂井オーナーとも金本監督とも話をして“それで行きましょう”となった」と明言。あれから10日。膝を突き合わせた恋人に直接、ありったけの思いを伝えた。

 何が何でも欲しい――という気持ちの表れなのは言うまでもない。清宮本人はもちろん、同席した父でラグビーのトップリーグ、ヤマハ発動機監督の克幸氏と母・幸世さんにも、プロ球界の本塁打王からメジャー本塁打王になるための育成プランなど、この日のために作成した資料を用いて熱く熱く説明した。

 この日に撤退を表明した広島と即戦力投手の指名が濃厚なオリックスを除く最多10球団が1位指名する可能性もあるが、四藤社長は「相当、指名は重複すると思う。あとは運に任せるしかないね」とすでに覚悟を決めている。外せば、補強に大きく影響が出るが、そのリスクを冒してまでも指名する価値がある「恋人」に初コンタクトでプロポーズした。

 清宮自身は「(プロは)野球に一番集中できる環境。成長させていただける球団に行きたい」と語っている。王貞治(現ソフトバンク球団会長)が持つ868本のプロ野球記録更新に、メジャー挑戦。壮大なビジョンを持つ天性の大砲に、猛虎がこれ以上ない、真っすぐなラブコールを送った。(巻木 周平)

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2017年10月3日のニュース