阪神 俊介弾で2位決めた 甲子園から始まる下克上日本一

[ 2017年10月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5―1巨人 ( 2017年9月30日    東京D )

<巨・神>7回1死、右越え本塁打を放った俊介はナインの出迎えに笑顔で応える
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 俊介が決めた! 阪神は9月30日の巨人戦(東京ドーム)で5―1の快勝。3試合を残して今季のリーグ2位が確定した。「1番・中堅」でフル出場した俊介外野手(30)が7回にマシソンから右越え4号ソロを放つなど3安打2打点の活躍。14日から開幕するクライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージ(S)で、本拠地・甲子園開催の立役者となった。

 虎党が待ち望んだ甲子園でのCS開催を決めたのは、生え抜きの30歳、俊介だった。初回先頭の左中間二塁打を手始めに、2回には右前適時打。2―1の7回1死の第4打席では、マシソンの剛速球を打ち砕く右越え4号ソロで宿敵を沈めた。

 「自分でもビックリしています。しっかり振れたけど入るとは思わなかったんで、とにかく“抜けろ”と思いながら走りました」

 手元に残った感触は上々だったが、打球が飛んだのは右打者にとって反対方向の右翼。剛腕は今季阪神戦で被本塁打がなく、夢中で一塁へ駆けだした。オレンジに染まったスタンドに着弾するのを見届けて初めて笑顔。ダイヤモンドを一周してベンチに戻ると、指揮官に「どうした?」とばかりにいじられた。

 守備位置と同じくチーム内の立場も中堅。福留、糸井、鳥谷らベテランの厚いカベと、『超変革』のチーム方針で起用される若手との狭間で、必死のアピールを続ける。先発起用が増えた球宴後は137打数46安打、打率・336と、100打席以上ではリーグ2位の数字を残す。

 「アピールしないと終わりでしょうし、しっかりアピールできるようにこれからもやっていきたい」

 野球へのひたむきな姿勢と、人なつっこい性格の愛されキャラ。岡崎とともに、指揮官の「愛のイジリ」を受ける代表格だ。通常、試合後も野手は野手、投手は投手同士で行動することが多いが、俊介は違う。藤川ら投手陣からもかわいがられており、9月始めの広島遠征では高橋に誘われて食事に出かけた。若手とベテランのつなぎ役としても、貴重な存在となっている。

 広陵高出身の後輩の活躍に金本監督の表情も自然と緩んだ。

 「きょうは(先発を)どうしようかなと。高山も、中谷も使いたかったけど、片岡コーチが『引き続き俊介』ということで。30歳にしてチャンスもかなり少ない中、どうしても若手が優先されるのは当然だけど、その中でしっかり仕事をしてくれている。今はもう欠かせない戦力」

 プロで培ってきた技術と経験、それに危機感を併せ持つのが中堅の世代。甲子園、そしてマツダスタジアムでの大舞台でも背番号68の躍動が楽しみだ。(山添 晴治)

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2017年10月1日のニュース