能見 こだわりの今季初完投 捕手ミットの色変更を要望

[ 2017年9月29日 08:30 ]

セ・リーグ   阪神11―2DeNA ( 2017年9月28日    横浜 )

<D・神>降りしきる雨の中、2失点と力投する能見
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 力強い腕の振りは最後まで衰えなかった。阪神・能見が9回4安打2失点(自責1)で7年連続、今季初の完投勝利を挙げた。

 「飛ばしていこうと。昨日のこと(秋山が2回まで4失点)もあって序盤取られないようにいこうと。腕の振りが一番良かった。点数も取ってもらって球数も少なかった。そういうところでね」

 神経を研ぎ澄ませ、トップギアでマウンドへ。初回を8球で終えるなど3回までは完全投球。「高さも意識しながら」と変化球を低めに集め、最終的に内野ゴロ14個を奪った。

 この夜も右打者の体すれすれに構えた捕手もミットをめがけて左腕を振った。プロ13年目のいまもこだわり続け、生命線としてきた内角直球。歳を重ね、投げるボールも変化する中、様々な工夫を凝らし、一途に投げ込んできた。

 7月30日の中日戦からはコンビを組む坂本にミットの色を防具の色と重なる青から茶色へ変更を要望した。「的があった方が投げやすいからね。ぼやけるのが嫌だから。中に入ったりしてしまっても、今までは球威で抑えられていたけど、もうね…」。ミットと防具に色の変化を付けることを「アクセントになるから」と説明。寸分も違いたくない内角球への強い意識の表れだった。

 8月以降、先発すればチームは8戦8勝。「野手の方も点を取ってくれているので僕の力ではない。目の前の試合を勝っていくだけ」。同期間で自分についた白星は3つでも、強力な“勝ち運”は短期決戦のCSでの頼りになる存在だ。ファーストステージで対戦する可能性のあるDeNAをねじ伏せたことで秋山、メッセンジャーと並んで有力な先発候補に加わった。38歳の秋に演じた自己最少の93球完投。円熟の力と技が光った。(遠藤 礼)

 ≪100球未満で9回完投は初めて≫能見の完投は今季初で、昨季7月27日のヤクルト戦で完封して以来。チームでは秋山2度、メッセンジャーに続く3人目で4度目。この日の投球数93は通算24完投のうち、9イニング未満の3度を含めて最少。100球未満で9回完投は初めてだ。8月以降は8試合の登板で無傷の3勝。この間チームも8戦全勝している。

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