巨人 逆転CSへ大逆転勝利 背番号9亀井が球団9999号

[ 2017年9月26日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―5ヤクルト ( 2017年9月25日    神宮 )

<ヤ・巨>7回2死、中越えソロを放つ巨人・亀井
Photo By スポニチ

 巨人が25日のヤクルト戦で今季最大の逆転劇を演じた。3回に5点を先行されながら総力を挙げて反撃。7回に亀井善行外野手(35)に球団通算9999号本塁打となる同点ソロが飛び出し、8回にケーシー・マギー内野手(34)が決勝打を放った。クライマックスシリーズ(CS)に進める3位確保へ、残り5試合全て勝つ。

 ベンチには着々とリードを広げるDeNAの試合経過が入っていた。負ければ2・5ゲーム差。CS進出が絶望的になることを、亀井は知っていた。

 「みんな(DeNAを)気にしていた。だからなんとか勝たないといけなかった」

 0―5からの反撃。1点差に迫った7回だ。2死無走者から初球の147キロ直球を振り抜いた。村田ヘッドコーチは「行くとは思わんかった」と正直に言った。打球はナインの思いを乗せ、バックスクリーンへ伸びた。同点6号ソロ。8月16日以来、約1カ月ぶりの一発に、高橋監督は「久々にいいホームランだった」と称えた。

 昨季は66試合の出場に終わった。シーズン前にはマーリンズ・イチローや、西武・秋山のようにバットを寝かせる打撃フォーム改造を説明。報道陣に丁寧な対応をしてきたその男が、オフに巻き返しのテーマを問われると「結果を出すまでは、もう言いません」と車に乗り込んだ。口を閉じ、バットで応えることを決意した。

 今季は開幕から1軍にフルで同行。微熱による体調不良を周囲に隠し、試合に出たこともあった。前半戦は代打での出場が続いた。「代打の経験は間違いなく生きている」と言う。追い込まれる前の一撃必殺。この日も「初球から思いきっていった」と振り切った。今季の44打点のうち、初球打ちで最多の10打点。打率・247ながら、得点圏では・378と跳ね上がる勝負強さも身についた。

 亀井の通算70号本塁打で、球団1万号に王手がかかった。他球団を凌駕(りょうが)する数字は、長い常勝の歴史を歩んできた証明だ。その伝統球団が4位に沈み、過去10年間全てクリアしてきたCS出場を逃す危機に立たされている。

 今季138試合目で、4点差以上を逆転したのは初めてだ。残りは5試合。指揮官は「負けてしまうと離されるだけだから、何とか勝たないといけない」と語気を強めた。入団時、高橋由伸に憧れて背番号「24」に続く「25」を希望した亀井。「残りの5試合全部勝たないといけない」と、その決意に呼応した。 (神田 佑)

 ≪5点差逆転≫巨人が0―5の劣勢をはね返す勝利。今季は過去3度の3点差を上回る最大差の逆転勝利で5点差をひっくり返したのは15年8月30日の中日戦(0―5→9―5)以来2年ぶりだ。なお、7回に亀井が打った同点ソロが巨人にとっては通算9999本目の本塁打。史上初となるチーム1万号に王手がかかった。

続きを表示

2017年9月26日のニュース