ヤクルト来季監督に小川SD4年ぶり再登板決定的 OB宮本氏ヘッド有力

[ 2017年9月26日 05:45 ]

ヤクルトの小川淳司シニアディレクター(右)とOB宮本慎也氏
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 最下位に沈んだヤクルトの来季監督に、前監督の小川淳司球団シニアディレクター(SD、60)が復帰することが25日、決定的になった。真中満監督(46)の今季限りでの退任決定後、球団は本社側と慎重に協議を重ねてきた。シーズン終了後に正式発表される。球団OBで野球評論家の宮本慎也氏(46)をヘッドコーチとして招くことも検討している。

 昨年は5位、今季は最下位に沈んだヤクルトの再建が、小川SDに託されることになった。真中監督の退任を発表した8月22日に衣笠剛球団社長兼オーナー代行が「うちは家族的、ファミリー球団と言われる。非常に良いじゃないかと思う。そういう意味では、次期(監督)についてもそういう人から」と、理想の監督像は球団を熟知した人物であると言及した。小川SDはそのイメージに当てはまる。

 10年に高田繁監督がシーズン半ばに辞任。後を引き継いで監督代行を務めると、借金19から貯金4まで増やしてシーズンを終えた。11年から4年間は監督を担った。10年ドラフト1位で入団した山田を積極起用するなど、若手を使って戦力の底上げに成功。11、12年には2年連続でAクラス入りに導いた。

 監督退任後はSDとして編成、育成面からチームを支えた。2年連続で下位に沈むが、チームの戦力については熟知している。今季は主力に故障者が続出し、他球団との戦力差が歴然だった。当初は高津2軍監督の昇格も検討されたが、99年から07年まで2軍監督も務めるなど、より戦力を把握していることから小川SDに白羽の矢が立ったもようだ。

 戦力底上げの目玉として、宮本氏をヘッドコーチとして招へいすることも検討している。94年に入団。守備の名手として、古田敦也や石井一久(現本紙評論家)らとともに黄金期の中心選手として活躍した。ゴールデングラブ賞を10度も獲得。引退した13年には小川監督の下で選手兼任コーチを務めた経験もある。04年のアテネ、08年の北京両五輪で、ともに主将として日本代表をけん引するなど、技術だけでなく、球界全体を通じて人望も厚い。

 新監督の発表はレギュラーシーズン終了後を予定している。

 ◆小川 淳司(おがわ・じゅんじ) 1957年(昭32)8月30日、千葉県生まれの60歳。習志野ではエースとして75年夏に全国制覇。中大で外野手に転向。河合楽器を経て81年ドラフト4位でヤクルト入団。92年に日本ハムに移籍し、同年で現役引退。引退後はヤクルトの2軍監督、1軍ヘッドコーチなどを歴任し、10年5月から監督代行を務め、11年から監督就任。14年に退任し、SD職に就いた。

 ◆宮本 慎也(みやもと・しんや) 1970年(昭45)11月5日、大阪府生まれの46歳。PL学園2年夏に甲子園優勝。同大―プリンスホテルを経て、94年ドラフト2位でヤクルト入団。95、97、01年に日本一、12年には通算2000安打を達成。ゴールデングラブ賞10度獲得。日本代表では04年アテネ、08年北京五輪で主将を務め、06年第1回WBCで世界一。日本プロ野球選手会6代目会長。1メートル76、82キロ。

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