アスレチックスのマクスウェル 国歌吹奏の際に膝をついて抗議 大リーグでは初!

[ 2017年9月24日 16:02 ]

国歌吹奏の際に膝をついたアスレチックスのマクスウェル捕手
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 カリフォルニア州オークランドで23日に行われた大リーグのアスレチックス対レンジャーズ戦で、アスレチックスのブルース・マクスウェル捕手(26歳)が国歌吹奏で整列した際、右手は胸に当てていたものの膝をついて“抗議”の姿勢を示した。

 警官による黒人射殺事件をきっかけに、NFLでは昨季から元49ersのQBコリン・キャパニック(29歳)を含む数選手が同じポーズを取って抗議。今季もシーホークスのDEマイケル・ベネット(31歳)らが整列を拒否しているが、しかし大リーグではマクスウェルが初めてとなった。

 マクスウェルは「人として正しいことをしていると思っている」とコメント。セレモニーでは隣にいたマーク・カナ外野手(28歳)がマクスウェルの肩に左手を添え、“支持”を表明した。

 同選手は父親が陸軍勤務だった関係でドイツ南部のビースバーデンで生まれ、米アラバマ州ハンツビルで育った。2012年のドラフトでは2巡目(全体62番目)にアスレチックスに指名され、16年のワールドベースボール・クラシック(WBC)予選ではドイツ代表として出場。メジャー2季目の今季は71試合に出場し、打率・244という成績を残しているが、この日のレンジャーズ戦には出場しなかった。

 前日には同選手の故郷ハンツビルでトランプ大統領が支持者を前にして演説を行っているが、この中で大統領は国歌吹奏の際に膝をついたり座ったりしているNFLの選手について言及。「そんな選手はクビにすべきだし、ファンは1人でもそんな選手を見たらすぐにスタジアムから出ていったほうがいい」と言い放っていた。

 この発言に関してはNFLだけでなく多くのプロスポーツ関係者が反発。マクスウェルは「南部の人種差別にはもううんざり。幼いころから自分をずっと悩ませていた」と語っており、故郷の町で大統領が口にした言葉の数々が抗議行動につながったと見られている。

 アスレチックス側は「選手には表現の自由があるし、それは憲法で保障されている」とマクスウェルに対して処分は科さない意向。ここまで動きのなかった大リーグで“抗議のニーダウン”が起こったことで、来月開幕のNHLとNBAにも影響を与えそうだ。

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