規定投球回到達 「権藤、権藤…」以来の低水準

[ 2017年9月22日 10:30 ]

19日の西武戦で今季6勝目を挙げたロッテ・二木
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 ロッテが19〜21日の西武戦で3連勝を飾った。原動力は二木、酒居、佐々木千の先発トリオ。二木はチーム単独トップの6勝目だった。

 この時期でチーム勝ち頭が6勝。低迷を物語る事実だが、二木のQS(6投球回以上、自責点3以下)率は65%。倍の12勝しているオリックス・金子の60%を超えるほどで、援護の少なさがうかがえる。ともかく6勝したことで、2リーグ制以降のパ・リーグで「最少のチーム最多勝」だった03年オリックス・具台晟に並んだ。

 あと3度あるという登板機会で星を伸ばしたいところ。ただ、10までは届かない。同様にチーム最多勝が1桁にとどまりそうなのがヤクルト、中日、日本ハムだ。それぞれ8勝(小川)、7勝(大野、又吉)、7勝(有原)が21日を終えてのトップ。4球団が2桁勝利なしで終えると、94、00、13年の3球団を上回るワースト記録となる。

 もう一つ、先発投手にまつわる厳しい現状が…。規定投球回到達者の少なさだ。21日時点でセ13人、パ10人の計23人。パはソフトバンク・千賀とディクソン、松葉のオリックス勢、さらに二木あたりが水面下から浮上する可能性を残すが、セは阪神・メッセンジャー、広島・岡田がシーズン規定投球回の143回に届かないまま登録抹消されている。もし両リーグ合わせて25人以下で終えると、24人だった61年以来の低水準。13年からは昨年まで29→28→26→26で推移していて、5年連続20人台となると2リーグ制以降では初めてだ。

 61年の両リーグ最多勝はセが中日・権藤博でパが西鉄・稲尾和久。稲尾はシーズン42勝のプロ野球記録を樹立した年で404回を投げ、「権藤、権藤、雨、権藤」とうたわれた権藤は実に429回1/3を投げ抜いて35勝した。大エースが多くの試合を担うがゆえの規定投球回到達者の少なさで、近年とは事情が違う。

 シーズン途中で中継ぎから先発に回って目下14勝の広島・薮田は投球回122。巨人・菅野と2勝差がついたが、88年ヤクルト・伊東昭光、05年阪神・下柳剛に次ぐ規定投球回未満での最多勝なるかと注目してきた。「希少種」となった規定投球回到達者。救済策は「試合数の9割」などと基準を下げることだが、継続してきた記録の重みを思えば…難しい。(記者コラム・和田 裕司)

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2017年9月22日のニュース