大谷 最速162キロでもダメ「良いところがほぼなかった」

[ 2017年9月22日 05:40 ]

パ・リーグ   日本ハム6―4ソフトバンク ( 2017年9月21日    札幌ドーム )

<日・ソ>メジャー17球団が視察する前で162キロをマークするなど6回1失点で2勝目を挙げた大谷
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 日本ハム・大谷翔平投手(23)が21日のソフトバンク戦に先発登板し、連勝で2勝目を挙げた。6回1失点ながら、5安打5四球の内容に不満が口をついて出た。今オフにポスティングシステムを利用してメジャーリーグに移籍する意思を固めた二刀流を、今季最多の17球団が視察。今季中の登板はあと1試合の予定だ。

 試合後、大谷の口から出たのは反省の言葉ばかりだった。「良いところがほぼなかった。制球もそう、一つ一つのボールもそう」。今季初めて100球を超す108球を投げ、6回5安打1失点。今季2勝目を挙げたが、5四球を与えた内容が許せなかった。

 「駆け引きはほぼない。直球かスライダー。ほぼ“じゃんけん”みたいなものだった」

 直球は引っかけ、スライダーも制御できない。2回を除き毎回の四球で、決め球のフォークを解禁できたのは5回だった。「結果的に抑えているだけで、自分が目指している内容ではない」と硬い表情。それでも、メジャー17球団が視察する前で潜在能力は見せた。3回2死二、三塁ではデスパイネをこの日最速の162キロを空振りさせ、最後はスライダーで空振り三振。6回2死満塁は明石をフォークで空振り三振に斬った。160キロ台を8球マークした。

 故障に苦しんだ5年目。二刀流だからこそ、ケアにも人一倍気を使った。右太腿裏の肉離れから復帰して以降、プレー後に負傷箇所ではない左膝をアイシングするようになった。大谷は「(投手の時は)ステップ足でもあるし、(打者の時は)軸足でもある。右足をケガしている分、(左膝にかかる)負荷も大きい」と説明した。大谷にとって左膝は、投手では左足を後方に蹴り戻す力を利用して右腕の振りを加速させる際に使い、打者ではフルスイングの支点となる。たゆまぬケアが実を結びつつある。

 完全復活を目指す二刀流。日程未定の次回登板が今季、そして日本最後のマウンドとなる。大谷は言った。「今日のような内容ではなく、(シーズンを)締めくくれるような投球をしたい。楽しみにしてくれる人のためにもしっかり抑えたい」。球数制限なしのフルスロットルで挑む。 (柳原 直之)

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