【広島・丸手記】黄金期を築きたい。その中心にいられたら

[ 2017年9月19日 08:28 ]

セ・リーグ   広島3―2阪神 ( 2017年9月18日    甲子園 )

<神・広>試合終了の瞬間、指を突き上げて喜ぶ丸
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 【広島・丸手記】去年も今年も、やはり優勝はどちらもうれしい。監督が偶然、近くにおられて、抱き合うこともできた。2年続けて成績を残すことができ、自分の中で方向性が見えたように思う。主軸を打たせてもらったのでホッとしている部分もある。

 昨秋キャンプから石井打撃コーチに言われてきた。「選手一人一人の現状の能力が、さらに上がらないと連覇は難しい」と。簡単なことではないと感じていた一方、自分の中では多少の余裕があったことも事実だ。15年の打撃フォームを変えて手探りの部分もあった昨季に比べて今季は迷いが少なかった。

 何より周りから余裕を持たせてもらったことが大きい。成功の3割ではなく、失敗の7割を生かし、どう点を取るか。石井コーチの教えだ。この意味を理解した上で試合に入れば、いい意味で余裕が生まれる。極端に言えば無死二、三塁で内野手が後ろで守っているなら、二ゴロ2つで2点を取れる。最悪、安打でなくても構わないという気持ちを持てる。

 遠征先でほとんど外出はしない。マツダスタジアムで試合がある日は朝起きて、家を出て、練習前に治療やウエートトレ…。同じサイクルで一日を過ごしている。人から見たら、面白みのない生活かもしれない。それが全然苦にならないし、変わる方が嫌だ。元々調子も気持ちも波のあるタイプ。波を小さくするための方法論として行き着いた。

 緒方監督がコーチだった時に言われた言葉が忘れられない。「おまえは不器用なんだから覚えるのには時間がかかる。でも一度、覚えたら忘れん」。厳しく教わったことが土台になった。バント練習でも何でも徹底的にやらせてくれた。背番号「9」を受け継いで4年目(※)。あの域にはまだまだ遠い。スピード、パワー、テクニック…。まだまだ果てしない。あの背番号「9」は凄い。

 連覇はしても大きな目標にはまだ達していない。一番近いところは当然「日本一」でも、最大の目標は黄金期を築くことだ。野手では一番上に新井さんがいる。松ちゃん(松山)もアピールしている。ベンチではベテラン、若手問わず、常に声が出ている。カープの良さは、いい意味でみんな仲がいいということ。僕らの世代が中心となり、今のまま変わらないスタイルでいきたい。若い選手がどんどん出てきて、試合にも勝つ。理想だ。その中心に自分がいられたら、最高だと思う。(広島東洋カープ外野手)

 (※)広島の背番号9は緒方が96〜09年に使用。4年間の空き番号を経て、13年に盗塁王を獲得した丸が14年から受け継いでいる。

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2017年9月19日のニュース