呉にいたからプロになれた巨人・畠 CSで誓う広島への下克上

[ 2017年9月18日 10:20 ]

17日のDeNA戦6回2死二、三塁、ロペスを三振に斬り、吠える巨人・畠
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 CS進出を争う巨人とDeNAの大一番。9月17日の今季直接対決最終戦を、巨人がドラフト2位・畠の快投で制した。7回無失点で6勝目。前夜に同率3位に並ばれたが、ルーキーが突き放した。

 広島県呉市出身。現在は川崎市のジャイアンツ寮暮らしで、大学は大阪府の近大。広島を離れてからもう5年近くが経つ。シーズン中は川尻町の実家に帰ることもできないが、故郷を思う気持ちは強く、今でも不思議な縁で結ばれている。

 「地に足がついていなかった。自分の弱さが出た」と振り返った7月6日のデビュー戦もそうだった。前例を見ると、球団のほとんどの新人が東京ドームで初マウンドを踏んだが、畠は地元のマツダスタジアム。スタンドが360度真っ赤に染まる中、4回4失点で降板。丸には一発を浴び「外野フライかと思った。これが1軍なのか」と思い知った。

 プロの道に進めたのは、呉市に住んでいたから。中学時代、同市でキャンプを張っていた近大の野球教室に参加。この出会いから「近大で野球がしたい」と思い、親元を離れてまずは近大福山高に進学した。さらに「プロ野球に入る」という夢のため、近大へと進んだ。7月5日には「くれ観光特使」に就任。「プレーで頑張って、どんどんPRしていきたい」と地元の素晴らしさを全国に伝えることを誓った。

 菅野、田口、マイコラスに続く柱として、「ここまで来たらCSで投げたい」と話す畠。全6勝は、中日、ヤクルト、DeNA、阪神からで、唯一、広島に勝っていない。

 広島は、マジック1で優勝間近。CS進出を決め、ファーストステージを勝ち進めば、リベンジの舞台は地元になる。マツダスタジアムで、幼少期からテレビで見続けてきた広島に、下克上を挑む。(記者コラム・神田 佑)

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2017年9月18日のニュース