【ソフトB柳田手記】やっぱりムネさんの存在はデカい 神様が打たせてくれた69打席ぶり弾

[ 2017年9月17日 10:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク7―3西武 ( 2017年9月16日    メットライフドーム )

<西・ソ>4回1死一塁、逆転左越え2ランを放つ柳田
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 柳田悠岐外野手(28)が、スポニチ本紙に歓喜の手記を寄せた。1点ビハインドの4回に8月23日の西武戦以来、69打席ぶりの決勝30号2ラン。5回にも右翼線適時二塁打を放ち、3打点の活躍を見せた主砲は、守護神サファテとともにMVPの有力候補に挙がる。

 もう、ホームランは無理だと諦めかけていました。昨日の夜はバッティングのことを考えていて、眠れなかった。1点リードされた4回1死一塁、この大一番での逆転の決勝アーチ。それも目標としていた30号ですよ。野球の神様が打たせてくれたのかと思いました。一生の思い出に残ります。

 今シーズンを振り返ると、やっぱり、ムネさんが帰ってきたことが、デカいですね。もちろん、川崎宗則さんですよ。打席に向かう時、毎回「リラックスして行け!」と言ってくれた。それで純粋に投手との対戦を楽しめました。昨年までは結果が欲しくて、打席でいろいろ考えたけど、ただ、楽しむ。それが一番ですよ。

 米国の野球のことも聞きました。印象に残ったのは「ゴロを打ってはいけない」こと。自分も思っていたから「やっぱりそうなんや」とすんなり受け入れました。日本ではエンドランは転がしだけど、あっちでやるチーム打撃は外野フライの練習とかだけ。今季はヤフオクドームの人工芝が替わり、球の勢いを吸収しやすくなったのもあり、フライを打つという意識は強まりました。

 今でもメジャーリーガーの動画はよく見ますね。今シーズンのイチ推しはドジャースのベリンジャー。とにかく、見てて楽しい。到底、まねはできないけど、モチベーションというか、凄い打球を打ちたいという気持ちにさせてくれます。

 ちなみに「ギータ」と名付けてくれたのはムネさんなんです。1年目のキャンプで食事へ連れて行ってもらった時に突然「おまえ、ギータな」って。そこからこんなに広まるなんて思いもしませんでしたが、それについても感謝です。

 今だから言いますが、開幕は出られないかもと思っていました。右肘痛でキャンプは投げられず、シャンプーや歯を磨いても痛い。車の運転もきつかった。先が見えないし、痛すぎて、これ、手術やろ?と思った。だけど、病院の先生がせんでいいと。「うそでしょ?」と思ったくらい。不安だらけでした。

 キャンプが終わり、3月中旬くらいだったと思います。スローイング練習を始めた時、工藤監督から「足を使って投げろ」と言われ、ちょっと投げられるようになった。3月31日の開幕戦(ロッテ戦)は痛み止めを飲み、「(打球は)飛んでくるな」と思った。ようやく治ったと確信を持てたのは6月13日の巨人戦でした。

 今年一番、聞かれたんじゃないですかね。「3冠王」って。ただ、全く、意識しません。今年は特に思うようにしているんですけど、打球の行方はボールに聞いてほしい。極端に言うなら、いいスイングでアウトならOKで、納得いかないスイングでヒットはダメ。そう思うようになり、これまでのシーズンより、追い求める「スイング」の確率は上がった。この軸はぶらさず、次のステージへぶつけていきたいです。 (福岡ソフトバンクホークス外野手)

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