阪神・鳥谷、2001安打目の劇打は史上初!サプライズ祝福にバットで最高の恩返し

[ 2017年9月10日 05:45 ]

セ・リーグ   阪神2―1DeNA ( 2017年9月9日    甲子園 )

<神・D>延長12回、サヨナラ打を放ち、西岡(右)から手荒い祝福を受ける鳥谷
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 偉業を成し遂げた男には不思議な力があるのだろうか。通算2000安打達成の余韻が残る甲子園で阪神・鳥谷がまた主役となった。

 「(中谷の)カウントが悪くなれば(出番が)あると思っていた。何とかサヨナラしたいと思って打席に立った。正直、打ててホッとしたのが一番」

 同点で迎えた延長12回。2死無走者から糸井の二塁打を起点に満塁となり6度目の打席が回ってきた。カウント1―1から三嶋のスライダーを捉えた打球は、二塁・柴田のグラブの下を抜け決勝打となった。「(二塁手に)捕られると思ったけど」。試合後の淡々とした表情とは対照的に、一塁を回ったところで珍しく飛び出したガッツポーズと笑みが一打の重みを表した。

 8日同戦の第1打席で2000安打を達成して以降、次の1本が遠かった。初回、1点を先制し、なおも1死満塁では遊飛。その後4打席も無安打で「それまで凡退していたので2001本目が良い形で出て良かった」と9打席ぶりの安打が自身2年ぶりのサヨナラ打となり安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 試合前には2000安打の先輩にもあたる福留の発案で、鳥谷本人には秘密で達成記念Tシャツをチーム関係者全員に配布。グラウンド入りを全員で待ち受けるサプライズで祝福された。球場入りの際には「俺だけもらってないよ」とツッコんだが、福留から手渡されセンター付近で集合写真に納まった。「ありがたいです。昨日(8日)に十分(実感を)味わってからの、これ(サプライズ)だったので」と笑顔で仲間への感謝を表現した。

 土壇場での大仕事に、金本監督も「最後は一番しびれる場面。あの場面で打つことに価値がある」と最敬礼し「こういう試合を最後、引き分けでなく勝ちに持っていけたということは、チーム力が上がってきたのかなとは思いますね」と評した。

 最高の形で生まれた新たな1本。3位・DeNAとは5・5ゲーム差。もう一度、上を見て奇跡への扉を開きたい。 (久林 幸平)

 《阪神の延長戦成績》阪神が延長12回、鳥谷の中前適時打で今季7度目のサヨナラ勝ち。延長戦は今季11度で8勝2敗1分け。甲子園では4戦全勝。

 《鳥谷のサヨナラ打》15年6月3日、ロッテ戦延長10回の左犠飛以来、2年ぶり8本目。内訳は本塁打3、二塁打1、単打3、犠飛1。これ以外に07年6月8日のオリックス戦でサヨナラ死球を記録している。鳥谷はこれが通算2001安打目。日米通算を含めた2000安打達成者で、次の安打がサヨナラ打となったのは史上初めて。

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