菅野 省エネ完投15勝 前夜のDeNA―ヤクルト戦からヒント

[ 2017年9月9日 06:30 ]

セ・リーグ   巨人4―1ヤクルト ( 2017年9月8日    東京ドーム )

<巨・ヤ>15勝目を1失点完投で飾り、陽からウイニングボールを受け取る菅野(中央)
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 有言実行だ。巨人・菅野が9回のマウンドに上がった。味方守備の失策から無死一、三塁のピンチを招き、二ゴロ併殺の間に1点を失った。今季4度目の完封を逃しても「最後まで投げたかった」と、完投勝利というミッションは完遂させた。9回6安打1失点。球団では12年内海以来の15勝目を手にした。

 プラン通りだった。打者33人に対して初球ストライクは22度。前夜のDeNA―ヤクルト戦からヒントを得た。DeNAの先発・今永が2回5安打5失点でKO。「ヤクルト打線は初球から振っていた。今永君は振られるのが嫌でボール、ボールでカウントを悪くしてから痛打されていた」。3ボールも1度だけ。大胆な攻めが「省エネ」につながり、今季2度目の無四球完投。107球での完投は自己最少タイだ。

 シーズン終盤のラストスパートに向けて、中継ぎ陣を温存させたかった。5、6日の中日戦は計8人のリリーフを投入。「中継ぎも疲れている。最後までマウンドに立てて良かった。これが先発投手のあるべき姿」と菅野。斎藤投手コーチも「ありがたいね」と目を細めた。

 3位・DeNAに1ゲーム差と接近したが、エースは「3位とかそういうことじゃない」と言い切った。2位になってCSファーストSを東京ドームで戦うことを目標に掲げる。次回先発は14日の阪神戦で、ここから中5日登板が続く見込みだ。「阪神と(直接対決が)6試合残っている。東京ドームでのCSを目指したい」。短い間隔でのフル回転も、望むところだ。 (重光 晋太郎)

 ▼巨人・高橋監督(菅野は)最初から最後まで隙のない、菅野らしい、いつも通りの投球をしてくれた。

 ≪15勝は12年内海以来≫菅野(巨)が自身6度目となる無四死球完投で今季15勝目。防御率1・69も合わせ、現在セの2冠となっている。巨人投手の15勝以上は12年内海の15勝以来。15勝以上&防御率1点台になると、2リーグ制後では8人目、15度目となる。左腕では内海が記録しているが、右腕では89年斎藤が最後で、菅野は28年ぶりに記録することができるか。なお、同年の斎藤は最多勝と最優秀防御率に輝いている。

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