安田、高校初サヨナラ打!“8割打法”で復活「後ろに清宮いる」

[ 2017年9月9日 05:30 ]

U―18W杯スーパーラウンド第1戦   日本4―3オーストラリア ( 2017年9月7日    カナダ・ポートアーサー )

11回1死満塁、サヨナラ中前適時打を放った安田は歓喜のガッツポーズ
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 侍ジャパン高校代表は7日(日本時間同日深夜)、スーパーラウンド(R)初戦でオーストラリアと対戦。3―3の延長10回から無死一、二塁で始まるタイブレーク方式に今大会初突入し、11回に3番・安田尚憲内野手(3年)が中前へはじき返し、劇的なサヨナラ勝ちを収めた。残るカナダ、韓国との2試合に連勝すれば、決勝進出が決まる。

 「8割」の力でコンパクトに振り抜いた。延長11回1死満塁。後ろに4番・清宮が控える中、安田の痛烈な打球が中前に抜けた。高校初のサヨナラ打。「自分らしいスイングができた。後ろに清宮がいる。自分だけじゃないと思って立てるようになった」。3時間19分の激闘に終止符を打ち、喜びを爆発させた。

 高校通算65本塁打。今秋のドラフト1位候補も、カナダ入り後は時差ぼけに悩まされた。「午後9時頃に寝ても1時間で目が覚めてしまう」と適応に時間がかかった。さらに外国勢特有の動く球にも苦戦。1次Rは打率・294、0本塁打、2打点と物足りなかった。それがスーパーR初戦で今大会初の3安打。復調のきっかけは小枝守監督の助言だ。

 指揮官は「軸の打者なので遠くに飛ばそうとするきらいがあった。動く球がこれだけ多いと捉えづらい」と指摘。「姿勢を正しくすると強い打球がいくぞ」と反り返り気味になっていた姿勢を真っすぐに矯正した。国内合宿で同部屋だった清宮からも「頭が突っ込まない」とヒントを得た。初回に右前打、4回も右翼線へ適時二塁打を放ったが、小枝監督は6、9回と連続で左飛に倒れた安田に「8割くらいで振り抜け」と指示。ベンチから「8割、8割」と安田に声が掛けられる中、劇打につなげた。

 慣れない海外生活に「精神的にきている」と戸惑いもあった。応援に駆けつけた母・多香子さんは1次Rで帰国したが、保護者が差し入れたカップラーメンに喜び、バスタブにつかって心身を癒やした。清宮が打てなくても安田がいる。「世界一になりたい」。カナダ、韓国を撃破して決勝進出の扉をこじ開ける。

 ▽高校日本代表の世界一への道 スーパーRの1、2位が決勝に進出する。オーストラリアに勝った日本は1次R直接対決の成績も含め2勝1敗となった。韓国に勝った米国が全勝をキープ。日本は残るカナダ、韓国に連勝すれば米国とともに決勝進出が決定。勝敗が並んだ場合の順位決定方式は(1)当該チーム同士の直接対決(2)得失点率(3)チーム自責点(4)チーム打率(5)コイントスの順。カナダ戦で敗れても韓国戦に勝てば、残るカナダ―キューバの結果次第で決勝進出の可能性は残る。

 ▽大会ルール 9回を終えて同点の場合は延長10回から無死一、二塁で始まるタイブレーク制を採用。打順は9回終了時から引き継ぐ。コールドゲームは5回15点差、7回10点差(3位決定戦、決勝はなし)。バットは木製のみ使用可。投手の球数制限はない。

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